横浜市の高1生〜「須坂の製糸研究」で大臣奨励賞

2008-08-25 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 横浜市在住の河野維一郎君(15・慶応義塾高校1年)が慶応義塾普通部(中学)3年に在学中だった昨年、須坂を中心とする製糸などについて調査し、A4用紙約100枚のレポートを1冊にまとめた「日本の『シルクロード』絹の道が運んだもの」が、旺文社主催の全国学芸科学コンクールで、1,500点近い作品の中から大賞に次ぐ文部科学大臣奨励賞に選ばれた。19日、家族と須坂市を訪れた河野君が、三木市長に受賞を報告した。
 昨春、家族旅行で須坂を訪れ、市内を散策中に「近代日本のシルクロードの起点」と書かれたプレートを見つけた。須坂の生糸が自身が住む横浜(港)へ運ばれていたことに強い興味を抱き、学校で夏休み明けに開く労作展の研究テーマに決めた。その日、ぶらりと入った東横町の市ふれあい館まゆぐらでは、須坂新聞に「語り継ぎたい絹の町の民話」を連載し、市内見学インストタクターも務める島田愛子さんと出会った。また「養蚕農家」の青木広安さん宅も訪れ、それぞれ詳しい説明を聞いた。河野君の興味は歴史だけでなく、和製シルクロードを経由し伝わってきた外国文化や思想にまで広がり、本やインターネットも有効に活用。再び須坂を2回と、富岡製糸場跡、岡谷市、諏訪市、上田市、八王子市を実際に訪れて専門家から話を聞き、資料を集めた。完成度の高さから学校が同展への出品をすすめた。
 レポートは 1.まゆと養蚕 2.絹と軍艦 3.お蚕さまと養蚕神 4.和製シルクロード 5.消えた鉄路・幻の鉄道 6.絹の道が運んだもの―の6章で構成。国土地理院で手に入れた古い地図をもとに、明治、大正、昭和の須坂市内の桑畑や、製糸工場の分布などを記した資料も作った。本文では須坂クラシック美術館で見つけたアールヌーヴォー風の着物、洋風建築の旧上高井郡役所や旧園里学校をはじめ、石碑や製糸工場で働く女性たちの生活、「須坂小唄」の誕生、「じゃん」という言葉の普及など、ユニークな点にも着目している。
 父純一さん、母和子さん、弟頌一郎君と市長室を訪問した河野君は「須坂では親切な方々と出会い、いろいろと教えていただきました。とても須坂に親しみを感じています」と感謝の意を伝えた。三木市長は「さまざまな関連にまで踏み込み、本当によく調べてある。須坂の人より須坂のことを知っていますね」と熱心さに感心。島田さんは「横浜の中学生が須坂に興味を持ってまゆぐらをたずねてくれた時は本当にうれしかった。しかも立派な賞をいただいてすばらしいですね」と喜んでいた。

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