「医師、スタッフ足りない認識を」

2008-02-18 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 地域で安心して子供を産み育てることができることを望む会は9日、市保健センターで第4回いのちについての学習会「私たちの地域でもおきている医師不足について考える」を開いた。講師に埼玉県済生会栗橋病院副院長の本田宏外科医を招いた。本田医師は「医療は命の安全保障のはずだが、全国で医療崩壊が加速している。国民が真実を知らなければ医療崩壊は決定的になる」と状況を説明した=写真は座談会で。
 「全国で医師不足が大変なことを知らない医師や議員もいて、情報が伝わっていないと感じる。日本の医師数はOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均から実質16万人も少ない。医師は長時間労働に耐え、1人何役もこなしている。医師不足を地域の偏在と言うが、人口10万人当たりの医師数が一番多い都府県でもOECD平均に達していない。加えて、医師を助ける秘書や搬送する人、レジデント(研修医)もいない(少ない)」
 「自治体病院は赤字になる構造になっている。世界一高齢社会で医療費がかかるはずなのにGDP比7.9%(2002年)と低く、国はさらに削減しようとしている。11〜12%に上げ、公的資金を注入する必要がある。団塊の世代が75歳を迎える20年後に備えて医師を大幅に増やさないと大量の医療難民が発生する。国のあり方を考える必要がある」と述べた。
 座談会で参加者は「医師の業務量を増やしているのも減らすことができるのも私たち。医療者に頼るだけでなく、セルフケアができる能力を持つことも必要」「病院だけ頑張っても駄目で地域と共にどういう医療をつくるかを真剣に考える時」と述べた。
 本田医師は「県政では知事に正しい情報を伝え、現在働く勤務医を辞めさせないこと。そのために現場の声を聴くことが大事。カルテを書いて説明する医療秘書を雇う。コンビニ受診を控えることを市民団体から呼びかけてもらうなどできることはある」と述べた。

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