ナディック〜23日NHK「クローズアップ現代」で放映

2008-01-19 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 精密プレス金型設計のナディック(須坂市春木町、上野栄蔵社長)をコア企業に平成17年、県内初の異分野連携新事業分野開拓計画(国の新連携)に認定された「中空パイプ内面バリ無しプレス加工技術」の取り組みが23日午後7時半〜7時56分のNHK総合テレビ「クローズアップ現代」に紹介される予定だ。年末年始に上野社長や坪井開市産業コーディネータ、連携加工会社などで取材が行われたという。
 同技術は内面がくりぬかれたパイプなどに外側からではなく、内側からプレスで穴を開け、内側にバリ(突起物)が残らないことからバリ取り作業や検査が不要となり、製造コストの大幅削減などメリットが大きい。
 その金型技術とプレス制御技術の融合は、上野社長と同社が試行錯誤を続け開発した。特許も出願していた16年12月ごろ、オリオン機械で役員を務めていた坪井さんが、遠藤守信信大教授を中心に活動する須坂ものづくりプロジェクト(須坂商工会議所主催)で知り合っていた上野社長から加工試作品を見せられたという。
 「工法の解明はできなかったが、バリ取りに苦労していたので素晴らしい工法と判断した」(坪井さん)。翌17年4月に現職務に就き、「市も支援ができ、市の産業活性化のためにもぜひ使わせてほしいと上野社長にお願いし、了解が得られた」(同)と言う。
 申請は入り口の新連携構築補助は使わず、直ちに事業化を目指す書類申請に挑み、同年6月に申請、7月に認定された。事業費は約4,500万円(3,000万円は補助金、1,500万円は同社負担)。10月から18年3月まで加工試験装置(3種類)や金型のパンチ寿命試験装置を製作。サンプル品作りや国際特許手続きなども行った。
 「量産化できれば特に自動車業界にとっては画期的な技術と思った」と言う坪井さんは、新連携専属マネージャーの補助金も活用して18年1月から19年9月まで上野社長とともに全国へ出張し、技術営業に歩いた。
 「PRに回った先では最初は信用されず、現場を見たいと須坂へ来てもらって、納得してもらった。次はサンプルを送ってもらって打ち抜いた」。現在まで約百社から引き合いがあるという。
 新連携認定全国約四百社の中でも効果が表れている例とされる。NHKの取材に際して上野社長は「特許出願中で公開されている技術だが、お客さまに迷惑がかからないか心配した。時系列を追う取材がこんなに大変とは思わなかった。緊張してうまく話せなかったが、小さな会社でも国の補助金をもらって事業ができるので、続いてほしい」と本紙の取材にこたえた。
 昨年末までに同技術での売り上げは約1億円(受注品を含む)。トヨタ、ニッサン、スズキ、ホンダ、韓国・現代自動車などで使われているという。上野社長は「研究・開発費を投入したので回収、売り上げ倍増へこれからが大事」と話す。
 仮タイトルは「町工場 ヒット商品を生む新しい連携」。連携する尾崎製作所、稲田製作所、内堀製作所、山一精工、オリオン機械や飯山精器、オーブ・リミテッドで取材や撮影が行われたという。

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