坂田山を守り育てる/NPO法人設立へ

2007-01-09 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 特定非営利活動法人「坂田山共生の森を愛する会」の設立認証を目指す準備委員会はこのほど、坂田町公会堂で設立総会を開いた=写真。市長や議長ら来賓が出席し、坂田・南原・穀町・北原・上町・本上町・上中町の区長ら関係者約30人が定款や事業計画、収支予算など5議案を承認、役員を選んだ。記念講演では蝶(ちょう)の民俗館館長の今井彰さん(本上町)が「坂田山と国蝶オオムラサキ」について講演した。
 坂田山共生の森は、34年前の昭和47年、地元有志が遊歩道(ヘルスサーキット)を整備し、翌年坂田山自然遊歩道の会を発足した。市や諸団体が休憩施設や体力づくり施設を整備し、桜やモミジを植えるなど市民憩いの里山づくりが行われた。平成13〜15年に県・市が森林空間総合整備事業を行い、散策や健康づくり、自然学習の場として利用されている。
 同遊歩道の会やさくらを育てる会を中心に草刈りや施設の充実に努めたが、会員の高齢化や参加者の減少、資金不足などで将来的な安定を目指し、法人化を企図した。
 活動内容は、 1.環境保全 2.社会教育推進 3.子供の健全育成 4.その他―の事業。事業は、遊歩道や桜などの草刈り、国蝶オオムラサキの育成繁殖、見学者案内・説明用パンフとガイドブック作成、新春歩こう会、体力づくりウオーキングなど。
 会員は正会員と賛助会員。正会員は入会金1,000円、年会費1,000円の納入を予定。役員に理事10人、監事2人、顧問1人を決めた。1月の理事会で理事長、副理事長、事務局長、会計を互選。県への認証申請手続きを進める。
 記念講演で今井さんは「環境破壊はチョウにも関係し、生態系が崩れるといなくなる。この地域に昔からオオムラサキが飛んでいた事実はあるが、幼虫が食べるエノキは植えただけでは駄目。天敵の鳥からサナギを守るためには網で覆い、幼虫はクモやハチから守って数を増やし、樹液を吸う羽化後、交配するためのドーム型の大きな網の覆いなど環境整備が大事」と述べた。群馬県宮城村で小三児童がオオムラサキを育てる事例も紹介した。

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