須坂市新町/塩屋醸造を登録文化財に〜国の文化審議会が答申

2006-12-16 07:00 am by 須坂新聞

まちづくり icon 国の文化審議会(阿刀田高会長)は8日、須坂市新町の江戸中期から続く商家「塩屋醸造」を国の登録有形文化財に登録するよう伊吹文部科学大臣に答申した。
 塩屋醸造は、江戸時代に塩問屋として創業。文化・文政年間(1804〜1830年)にみそとしょうゆの醸造を始めた。昭和7年に会社を設立、現在もみそ、しょうゆなどの醸造を行っていて、みそでは数多くの賞を受賞、県内屈指の名店の一つに数えられている。
 登録が答申されたのは、約5,000平方メートルの敷地内の店舗兼母屋のほかに、みそ蔵、もろみ蔵、酢蔵、まき蔵、文庫蔵など一体となった江戸時代から明治時代に建てられた10棟。醸造業に必要な一連の施設や道具などが残り、伝統的醸造技術を受け継いでいる。 
 また、須高地区の旅館業者などの要請で昭和47年から須高地区を訪れる観光客のためにみそ蔵を開放、通信販売にも早くから取り組むなどして、歴史的建物と伝統的技術を生かした特色のある商売を展開、全国ネットのテレビ放映、新聞や雑誌などマスコミにも数多く取り上げられ、善光寺平や蔵のまち須坂からの発信拠点の一つに挙げられている。
 10代目の上原衛社長(67)は「建物には、醸造に必要な小さな生命も生き続けている。蔵にも命がある―との信念でご先祖さまから受け継いだ宝物を大切にしています。必要な場所を毎年少しずつ修理・修景、工夫して手を加えお客さまに喜ばれる環境を整備してきました。今後も続けます」と語っている。
 みそやしょうゆなどを包むパッケージも手づくりのあたたかさを感じさせる手法で取り組み、商標登録、特許も数多い。受け継がれた伝統をベースに新製品の開発にも積極的に取り組み、家業を継ぐ11代目もいる。

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