勇気とやる気/障害者福祉功労で知事表彰

2006-02-14 12:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市八幡町の刺刀玲子さん(76)はこのほど、障害者福祉功労で県知事表彰を受けた。家族の介護に携わった自らの生活などを綴った自分史『よろこびと悲しみのパッチワーク 70年をかえりみて』(A5判410ページ)を4年前に自己出版し、多くの人々に勇気とやる気を与えていることなどが評価された。
 自分史は、自身の誕生から結婚、出産、そして長男の隆さん(57・ワークハウスわらしべ)が脳性マヒの後遺症と闘う運命を背負って生まれ、家族全員がその現実と向き合って歩んできた道のりなどを回顧したもの。昭和41年には県下初の母子通園施設「愛の樹園」を設立するため無我夢中で奔走したことなども記されている。平成9年に隆さんの介護記録を文章にまとめた作品がNHK福祉賞の矢野賞を受賞したのを機に、自分史講座を受講し、4年がかりで書き上げた。
 本の反響は大きく、知り合いはもちろんまったく知らない人たちからも電話や手紙などで「励みになりました」「私もがんばります」「勇気をありがとう」など感謝の言葉がたくさん寄せられた。
 玲子さんは昨年、二度にわたって腰椎を手術。現在は介護保険の要支援に認定され、デイケアでのリハビリや病院での治療にあたっている。また玲子さんと共に隆さんの介護に献身的に携わり、昭和51年に社会福祉関係で知事表彰を受けた義母よしいさん(91)も病院や老人ホームでの生活が続く。隆さんの介護や食事作りはいま、ヘルパーと二男の修さん・圭子さん夫妻(塩川町)らにゆだねている。
 「今まで辛いこともたくさんありましたが、喜びはそれ以上。いろいろな人と出会い、家族にも恵まれて、本当に幸せだと思います。本を読んでくださった方から今でも連絡をいただくことがありますが、私の方が逆に勇気をもらっています。これからは私自身がもっと前向きに生きていかなきゃ、と思いますね」と玲子さん。隆さんの介護に手を貸すことはなくなったが、心の支えとなる大きな存在であることに変わりはない。

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