2006-01-17 12:00 am by 須坂新聞
富士通須坂工場(坂本吉次工場長)は、老朽化している工場系建屋合計20棟、厚生施設の寮2棟を解体する。地元穀町区の要請を受けて11日、穀町公会堂で区民に解体工事のスケジュール等を説明した。その後、一部建屋解体工事に着手した。
同社の説明では、築後35年から49年を経過している工場系建屋5棟、診療所、付属建物の工場系合計12棟、信濃寮、美鈴寮の厚生施設2棟、全建物面積の半分近い全部で約2万平方メートルの建屋を6月までに解体、8月から整地・アスファルト化して工場環境の整備を行うというもの。現在、これらの建物は老朽化したため使われておらず、富士通メディアデバイスプロダクツ須坂事業所の操業には影響ない―としている。また、これとは別に変電設備の更新も進めている。
富士通は2002年以降、北信の富士通各社の再編を進めていて、それぞれ本拠地に生産を移し、須坂工場は富士通メディアデバイスプロダクツ(本社青森県)と富士通関連の会社の従業員で500人規模の工場になっている。また、青森から100人ほどが来て須坂事業所で働いていて、派遣社員も含めると相当数が出入りしている。
須坂工場は60数年の歴史があり、川崎に次ぐ富士通の老舗工場だが、建屋の老朽化が著しく、 中越地震等の影響もあって新たな展開のネックになっていた。このため「老朽化した建物を解体したほうがリスクが少ない」と判断、将来に期待をつないでいる。
地元説明会で区民から「以前は、富士通城下町須坂といわれたくらいだった。工場建物の一部解体でさらなる先細りの心配はないのか」と質問があったが、メディアデバイスプロダクツの親会社・富士通メディアデバイスの取締役でもある坂本工場長は「プロダクツはここで生産を続ける。仕事は忙しく、正月休みも返上したいくらいだった。工場建屋の再利用を模索してきたが、老朽化した建屋では再活用も難しく解体を決めた」と活況な様子を報告した。
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