市地域おこし協力隊2年目の古川広野さん(峰の原高原町)〜内と外から活性化を分析

2019-06-08 07:00 am by 須坂新聞

まちづくり icon 須坂市地域おこし協力隊2年目の古川広野(こうや)さん(24、峰の原高原町)は、所属する峰の原高原観光協会の活動の一環でキーホルダーやストラップなどオリジナル商品を製作している。「ふるさとへ仕事で戻ってきた。好きな場所なので戻ってよかった。2年目、3年目は地域の観光全般へお金を回す仕組みを考えたい」と話す。
 峰の原高原で高3まで過ごした。菅平中時代はスキー部でアルペンスキーや基礎スキーに、上田高校時代は軽音楽に親しんだ。郷里を離れ、九州大学理学部生物学科(福岡市)に進み、クモの研究にコンピューター解析を用いる数理生物学を専攻した。就職では「生まれ育った地元を盛り上げたい」と協力隊員を志願した。
 峰の原は、20年前の最盛期に80軒を超えたペンション数が50軒を割り、現在約45軒。空きペンションの増加や経営者の高齢化・世代交代、区の維持が課題にあがり、持続可能なペンション村づくり―に向き合っている。
 地域経済にペンション宿泊業の占めるウエートが高い現状を、内と外の視点から分析する古川さんは「もっと地域資源を生かさなければもったいない。若い人を呼ぶこと、新しい人を呼ぶことがペンション村の継続につながる」と考えている。
 昨年度、活動1年目は、アクリル板をテニスラケットの形にレーザー加工機(市技術情報センター)で削り、文字を入れたキーホルダーを200個作り、テニス大会の参加賞に配った。薄いひのき材でしおりを30個作り、峰の原高原のポストカードと一緒にイベントで配った。
 お菓子パーティーでは、集成材を加工してマスコットのヌーキーストラップやマグネットヌーキーを販売(1個200円)。峰の原高原スキー場でも地元土産品の一つとして販売した。「お菓子パーティーでは100個ほど、スキー場でも100個ほど売れた」
 「試行錯誤してみて大量生産ではなく受注生産に向いている」と判断し、約45軒のペンションに見本を配り、置いてもらって名入れなどの注文に応じることにしたが、これまでに注文はないという。
 今後について「任期は3年。少なくとも任期が終わった後もこの地域にいられるよう、残れるように何かしないといけない。続けることが持続可能な地域づくりになるので観光全般で考えていきたい。新たな拠点があったらいいとも思う」。
 地域外から「雪はどうですか」「やりの夕日は…」など問われ、SNSでタイムリーに情報発信し、人々と顔の見える関係を大事にしている。

2019-06-08 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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