2018-11-10 07:00 am by 須坂新聞
高甫小学校(黒岩龍也校長、169人)で先月31日、地域でとれた渋柿の皮をむく体験会が同校体育館で行われた。校内にある長崎の被爆2世柿を通して平和や命の尊さを学んでもらおうと、高甫地域づくり推進委員会が同校と共催し、今回で17回目。全校でむいた400個の柿は、6年生が日当りのいい南校舎のベランダに吊るした。16日に地域づくり推進委と4年生がもみほぐし、その後5年生が箱詰めをして、食べごろになったら各家庭に持ち帰る。
この日は、シニアクラブ女性部、保健補導員、PTAらも協力。縦割り班の子どもたちの間に入り、包丁の持ち方やむき方を指導した。6年生の勝山陽喜(ようき)君は「一年の時からやっているから慣れている。今日は最後の方で皮が短くなっちゃった」。山口侑己(ゆうき)君は「八丁鎧塚まつりでやった時の方が上手にむけたかな」。体験後は、代表児童が壇上で被爆2世柿をむき、長さを競う大会もあった。
「柿の木プロジェクト」は、長崎で被爆しながらも、奇跡的に生き残った1本の柿の木から生まれた「被爆柿の木2世」の苗木を平和の象徴として育て、平和学習に役立てる取り組み。かつて高甫地域は「柿の里」といわれたことから、同推進委員会は2001(平成13)年にプロジェクトに参加し、2本の苗木を学校敷地に植樹、「タッキー」「ナッキー」と命名した。
推進委員会の宮川剛房会長は「昔、高甫はとても貧しい村として知られていた。そのため子どもや孫のおやつになればと、柿の木を植えた家が多かったと思う。原爆に耐えた平和の象徴は他にもあるが、地域と関わりの深い柿を通して、子どもたちが平和に関心を持つきっかけになれば」と話していた。
この日、3年生(28人)は、平和学習の発表も行った。第二次世界大戦の悲惨さを描く物語『ちいちゃんのかげおくり』(あまんきみこ作)を、歌と朗読劇で披露した。
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