旧小田切家住宅が県宝へ〜県文化財保護審議会が答申

2018-09-01 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 県文化財保護審議会は29日、須坂市指定有形文化財の歴史的建造物・市旧小田切家住宅(春木町)を県宝に指定するよう、県教育委員会に答申した。19日に開く県教委定例会で決定する見通し。県宝としては市内初。県指定文化財としては、野辺の来迎念仏、八丁鎧塚、井上氏城跡、ミヤマモンキチョウ、ベニヒカゲ、井上の枕状溶岩に次いで7件目。
 旧小田切家住宅は、約1,300平方メートルの敷地に、母屋、店、表門・上店、4棟の土蔵、水車小屋、車寄せ、向こうの家が建てられている。
 現存する建物の多くは、明治時代に須坂の製糸業で中心的に活躍した製糸家・小田切辰之助によって再建されたとされている。
 母屋は木造2階建て、延べ床面積約320平方メートル。屋根は桟瓦ぶきで、北側が切り妻造り、南側が入り母屋造り。外壁は大壁造りしっくい塗り込め、一階は真壁造りしっくい塗り。
 妻入りで、正面には千鳥破風、懸魚(げぎょ)などの妻飾りが設けられ、縁起物として小槌(づち)や俵が鏝(こて)絵で描かれている。内部は、式台のある玄関、茶の間、中間、座敷、奥座敷、納戸、勝手、台所などを備えている。
 一連の歴史的建造物群から、製糸業繁栄の歴史や製糸家の生活などを伺い知ることができる。
 旧小田切家住宅は、2012年に市が所有者から建物の寄付を受けた(土地は取得)。14年から復元修理工事に着手し、16年7月に市の文化施設として開館した。
 市生涯学習スポーツ課は「価値が認められて県宝に指定されるのは、PRや情報発信の面でもありがたい。より多くの人に訪れてもらい、須坂について知ってもらえるようにしたい」と話している。

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