【須坂市総合防災訓練】訓練の積み重ねで万全に〜中学生も参加

2018-09-01 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市は26日、常盤中学校グラウンド・体育館を会場に総合防災訓練を開き、一般市民をはじめ、行政・消防関係者、市と災害時応援協定を結んだ団体や機関などから約650人が参加、各種の訓練や体験に取り組んだ。 常盤中生徒29人も参加、大人に交じって防災意識を高めた。

 須坂市の訓練は、昭和56年8月23日に仁礼地区の宇原川で発生した土石流によって10人が犠牲となった「五六災害」を教訓にしようと、同日を「市民防災の日」に定め、直近の日曜日に4中学校区を巡回して開いている。
 訓練は須坂市に大雨警報と洪水警報が発表され、八木沢川が氾濫危険水位に到達、土砂災害警戒情報も発表される中、震度6強の地震が発生、避難指示や避難勧告を発令したとの想定で約50項目の訓練や体験を行った。
 このうち、初期消火訓練では消火器の使い方を学び、住民で協力してバケツリレーを行った。消防本部職員からは「火はすぐに広がるので消防車が来るまでの初期消火が大事。日ごろから消火器やAEDの場所や使い方を確認し、火災警報器も作動するかどうか定期的にチェックして。バケツリレーは水がなければどうしようもないので、風呂の水をはっておくといざという時に役立つ」などのアドバイスがあった。
 飼育動物同行避難訓練では、県内初の試みとして一般公募によるペット動物の体験型訓練を実施。市内外から12匹の犬の飼い主らが参加して、災害時の係留方法や災害時に役立つトリミングを学び、獣医師による健康チェックや車中泊の展示・実演などを行った。
 また、中学生の訓練参加は昨年度から始まり、今回、常盤中生徒は炊き出し、避難所設置運営、避難行動要支援者対応、飼育動物同行避難の訓練に汗を流した。炊き出し訓練では、市社会福祉協議会職員から「炊飯袋は空気を抜いてしっかり締め、鍋は沸騰しているので袋は縁からやさしく入れること」などのアドバイスを受け、真剣に取り組んでいた。
 常盤中JRC委員会副委員長の松田ゆうかさん(3年)は「炊き出しは初めてで緊張したけど、皆で協力して炊飯袋を作ることができてよかった。きょうは訓練だったけど、もし現実のことになったらパニックになると思うので、いざという時にきちんと行動できるようにすることが大事だと思った」と話していた。
 終了式で、三木正夫市長は「常盤中の生徒をはじめ、多くの市民や団体の皆さんに参加していただいたことに感謝したい。須坂市の防災はこれからはソフトの時代になる。本日も参加した皆さんから防災に関する貴重なご意見をいただいた。ご意見やご要望があればぜひ寄せていただき、検討していきたい。各家庭でもしっかりした備えをお願いします」とあいさつ。 
 須坂市区長会の小林敏会長(相森町区長)は「須坂市は災害が非常に少なく、災害を意識することはあまりないが、今回訓練を体験したり、見させていただいて、災害に直面したときのことを考えると、やはり訓練しかない。訓練の積み重ねがいざというときに役立つと感じた。各自治会で行う小さな訓練が確実に全市的な防災につながる」と講評。
 続けて、「自分たちでできることは自分たちで行う。自助・共助は地域で行い、行政の皆さんにはしっかりと公助をしていただき、私たち市民をサポートしてほしい。この訓練は市民あってこそ成り立つ。多くの市民が防災を学びとり、いざというときに万全に対応できるようになってほしい」と呼び掛けた。
 なお、須坂市消防本部によれば、須高地区では28日現在、32件の火災(須坂市18件・小布施町11件・高山村3件/建物13件・車両2件・野火などその他17件)が発生。死者は須坂市で4人、小布施町で2人、負傷者は須坂市で1人を数える。
 須高地区の発生件数は既に昨年1年間(28件)を上回り、死者も3倍(昨年2人)に増えていることから、同本部では一層の注意を呼び掛けている。

2018-09-01 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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