2018-06-09 07:00 am by 須坂新聞
須坂市中町の鈴木養蜂場(鈴木健太郎社長)はこのほど、井上地区の遊休農地を再生したレンゲ畑からレンゲ蜜を採取した。レンゲは初夏には可憐な紅紫色の花が咲くことから、同社では蜜源の確保と共に、須坂の新たな花の風物詩にしたいと力を入れている。
少子高齢化の影響で遊休農地の拡大が予想され、しかも農薬やアカシアの伐採などのため蜜源が慢性的に不足している。
そこで同社は4年前に同地区の農地約30アールを借り受け、3年前から秋に26?分の種子を蒔き続け、次第に根付いて見事な花を咲かせるようになった。
土地は井上農地保全会(清水澄夫会長)が紹介。同会は井上地区の遊休農地などの管理を支援、今回も草刈りなどで協力している。鈴木社長の父鈴木勝夫会長が数年前に、「遊休農地を有効利用したい」と清水さんに相談したのがきっかけ。
レンゲ畑には現在巣箱を4箱設置し、全体で推定約10万匹のミツバチがいる。1箱に巣枠が16枚あり、1箱で10?前後のハチミツが採取できるという。昨年は少量のレンゲ蜜を採取、今回は約40?採取した。今月上旬にもう1回採蜜する予定。
レンゲ蜂蜜は上品なコク、濃厚な味わいと淡い色調で、多くの人に好まれている。淡白な甘みのアカシア蜜はクィーン、甘味の強いレンゲ蜜はキングと言われている。肉や魚料理などの隠し味にも使われ、肉を柔らかくし料理の味を引き立てる。滋養強壮、便秘解消、利尿作用、肝機能の向上作用などがあるとも言われている。
同社では、この畑で採取したハチミツを「須坂産レンゲ蜜」として販売。高山村赤和地区の遊休農地でも約20アールをレンゲ畑に再生する計画もある。
鈴木社長は「根気よく続けて立派なレンゲ畑にしたい。花も美しいので、さらに広げて市民はもちろん、訪れる人たちに喜んでいただきたい」、同保全会の清水会長は「この事業が地域の活性化につながればありがたい。最近レンゲの花を目当てに訪れる人も増えている」と話す。
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