大笹街道の石仏を本に〜歴史遺産を次世代に

2018-03-24 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 一般財団法人仁礼会(須坂市仁礼町)といわもとぷろ(坂田町)はこのほど、仁礼町〜峰の原高原の大笹街道に建つ石仏約70体の写真や資料をまとめた本「大笹街道石仏写録」を発刊した。それぞれの石仏の写真とそこに刻まれている建立者名や年代などを解説している。B5判、92ページ。
 両者によると石仏は道中の安全祈願や、亡くなった人馬の供養、道しるべのために地域住民や遺族などが建立した。大笹街道が栄えた江戸時代を中心に置かれたという。
 仁礼町〜峰の原高原の石仏は、仁礼会が峰の原高原の開発と共に調査し、毎年、維持管理や供養祭などを行っている。1977年〜2010年には「大笹街道を歩き石仏を尋ねる会」を開いていた。
 石仏は高さ数十センチから1m程度で、立体像のほか、石板に彫刻してある。ほとんどが穏やかな表情をした観音菩薩。馬頭観音や、西国・秩父・坂東の百番観音を模したものなどがある。約15体は仁礼住民が建立した。
 確認できている中で最も古い石仏は「宝暦十二(1762)年四月吉日」と記された馬頭観音。建立者は不明。掲載されている写真の中には昭和56(1981)年の宇原川土石流災害で流失したり、復元した石仏も含まれている。
 写真と文章は主にいわもとぷろの岩本憲治さんが担当した。岩本さんは仁礼会から石仏の歴史的価値などについて聞いたことをきっかけに関心を持った。写真は1977年を中心に撮影した。同書発刊に当たって石仏を再確認し、一部撮り直しするなどした。
 同会の駒津幸司理事長は「風化が進んでいる石仏もあるので、写真で残すため岩本さんに協力いただいた。石仏の歴史や価値の再認識にもつながれば」と話した。
 岩本さんは「仁礼会が石仏を次世代につなげるために努力してきたので、多くの人に石仏を知ってもらい、これからも大事にしてもらえれば」と話した。
 同書は予約販売で、すでに関係者や地元住民に頒布した。残部が多少あり、希望者に1冊2,500円で販売。問い合わせは仁礼会☎026-245-9441へ。

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