博物館機能分散化を提言〜須坂市の基本計画策定委

2018-03-17 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市立博物館基本計画策定委員会(委員長・笹本正治県立歴史館長、委員15人)は13日、市人権交流センターで第4回を開いた。老朽化している市立博物館のあり方について、既存文化施設などへの機能分散化を提言する中間報告をまとめた。今後、機能分散化の具体的な方法や、現市立博物館施設の扱いなどを検討し、9月ごろをめどに基本計画を策定する。
 提言書では市立博物館についての、委員会の共通認識として▽市民が郷土を愛し、誇りを持ち、文化レベルの向上に資する施設▽重要な機能として資料を収集・保管し、後世に適切に伝える役割▽役割・機能を満たしていれば必ずしも大きな総合博物館は必要ない▽大切なのは運営し、関わる人―とした。
 その上で
1.博物館機能を既存文化施設などへ分散化する
2.市内の文化施設全体を見た際、須坂の多面的な姿が見えてくる「まるごと博物館」として機能するように、各施設の特徴・テーマ・役割を差別化・明確化した上で、博物館資料を「分散展示」する。
3.各施設の展示内容などの情報提供、案内などの機能を持つ施設、人材を配置する
4.博物館に期待される諸活動(調査研究、資料の収集・保存、展示、教育)を適切に行い、市民に活用されるために学芸員などの適切な人材の配置と、さらなる人材育成が必要
5.収蔵場所の確保並びに保存環境の整備が不可欠―と提言した。
 笹本委員長は「須坂市の未来を考える中で博物館はどうあるべきかとの観点から論議を深めた」と話した。事務局の市生涯学習スポーツ課は「基本的には提言を尊重する」と話した。
 同委員会は学識経験者や教育関係者、市内各種団体代表、高校生などで組織し、昨年10月に第1回を開いた。市の考えや財政状況を聞いたり、各施設の視察、市民からの意見などを踏まえて、市立博物館のあり方、移転の適否などを論議した。
 第3回までに、市内に点在する文化施設を生かした分散展示(町じゅうまるごと博物館)に関する意見が多く出ていた。また、学芸員、企画、展示工夫などのソフト面や収蔵庫の重要性を訴える声も多かった。

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