2017-10-28 07:00 am by 須坂新聞
作家の佐藤智恵さんがこのほど、中央公論新社(東京都)から発刊した中公新書ラクレ「ハーバード日本史教室〜なぜ世界最高の知性は日本史から学ぶのか」の中で、一番興味のある武士として須坂藩13代藩主の堀直虎公を紹介している。
同書は佐藤さんが米国・ハーバード大教授10人にインタビューした内容を収録。直虎公に関しては日本史専攻のデビッド・ハウエル教授が、一番興味のある武士として「堀直虎は国際派のユニークな大名で、彼の短い人生はドラマチック」と紹介している。
直虎公の生涯について「若い頃から漢学、国学、蘭学、洋式兵学を学び、翻訳ができるほど英語が堪能。大名になってまもなく藩政改革を断行、不正な藩士を粛清して新体制を作った。徳川慶喜から小藩で外様ながら若年寄兼外国総奉行に抜擢された。鳥羽・伏見の戦いで大坂から江戸城に逃げ帰った慶喜に何かを進言した直後に切腹した」(要旨)と解説している。
自害の理由について「理由は定かではない。諸説あるが、挙兵して薩長と戦うように命をかけて進言したのではないか。白装束を着用していたことから最初から切腹覚悟だったと思われる」と推測している。
直虎公に魅了された理由として「若くてダイナミックなリーダーだったから。写真機を購入して自撮りする一面、大名として改革を断行する一面もある。進取の気性を持ちながらも最後は切腹してしまう。直虎はどれだけ西洋から影響を受けても武士としての責務を全うした。新しさと伝統が共存しているところに魅かれる。授業でも写真と共に教えている。学生が興味を持つとうれしい」とする。
著者の佐藤さんは前書きで「世界から見た日本の価値を見つめ直し、日本史の新たな魅力の発見につながればうれしい」と綴っている。256ページ、定価820円。全国の書店などで好評販売中。
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