【台風21号の影響】須高も各地で農作物被害や道路崩落

2017-10-28 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 23日未明から朝にかけて県内に最接近した台風21号の影響で、須高地区では千曲川河川敷を中心に冠水したり、強風で農作物に大きな被害が出た。高山村では道路崩落などが複数カ所で発生。須坂市豊洲地区では各所で冠水し、豊洲小が23日、臨時休校した。須坂市と小布施町の境にある相之島排水機場の排水ポンプが、4機のうち3機が故障し、八木沢川の排水が滞った。
 須坂市は豊洲地区で小島町を中心に冠水し、野菜や稲、果樹など一部の農作物が水に漬かった。道路は膝上まで冠水した所も。豊洲小は通学路の安全確保ができないとして休校した。小島町で住宅1棟が床下浸水した。
 市内ではほかに、山沿いの井上や豊丘で、川や水路の水が溢れて道路や畑に流れ出たり、上八町の工場に大量の雨水が流れ込むなどした。米子大瀑布では増水で川の流れが変わって登山道がふさがれた所があり、一部通行止めとなっている。
 一方、須坂市から小布施町にかけての千曲川河川敷は増水で、野菜や果樹、ソバの畑などが水に漬かった。三木正仁さん(27、相之島町)は10アールのリンゴ畑が、木の上部まで泥水をかぶり、収穫直前の「ふじ」が汚れたり、流木やごみが絡み付いた。「9割はだめ。加工用にできればいいが、無理なら廃棄するしかない」と肩を落としていた。
 小布施町大島の50代の女性は「これから収穫する晩生のふじやシナノゴールドの大半が水に漬かった。漬かったリンゴは病気扱い。どこにも出荷できないので捨てるしかない。残念」と話していた。
 小布施町の河川敷内の栗や桃、プレーン、早生のリンゴなどは収穫を終えていたが、流れてきたごみが果樹に巻き付いている状態。30代の男性は「これからの復旧が大変」と話した。
 また、強風の影響で須坂市の日滝地区や中島町ではリンゴの木が折れたり、落果した。高山村ではリンゴの落果などが、なかひらや牧など一部の地区に集中して発生した。中島町の60代の男性は「リンゴの木が15本ほど倒れた。植え替えるしかない」と話した。
 JAながの須高ブロックによると、農産物被害は千曲川河川敷での冠水による収穫前のフジ被害が中心で、須坂市で約2,247万円、小布施町で約1,432万円で合わせて約3,679万円余となったという。
 高山村では県道や農道、林道が崩れる被害が出た。須坂建設事務所によると、県道豊野南志賀公園線の八滝から雷滝間の一部で、長さ20mにわたり路肩が崩落。約5.5mの幅員が約3mに狭まり、山田牧場までの区間は大型車両が全面通行止め(一般車両は片側通行)の状況だ。「復旧には時間がかかりそう」としており、冬の観光への影響が懸念される。宮関地区で規模は大きくなかったが土砂崩れが発生し、片側通行となっている。
 村によると、赤和地区谷地(やち)地籍の農道で路肩が崩壊した。規模は長さ約30m、幅約1m。林道では三郷地区坪井地籍の御堂(みどう)線と千石地籍の矢崎線の2カ所で、幅員約4mの道路が崩落した。規模は御堂線が長さ約10m、矢崎線が長さ約36m。
 観光施設では、山田温泉の舞の道遊歩道で土砂崩れがあり、通行止めとなっている。
 また、山際の地区などでは水路の水が溢れて民家の敷地内に流れ込み、村職員らが浸水を防ぐために土のうを積んで対応した。
 被害があった林道のうち、御堂線は農家らが利用する道路だ。田んぼに行くために頻繁に通るという地元の男性(68)は、23日午前8時ごろに崩落現場を確認した。稲の収穫は終わっていたが「昼間だったら田んぼにいた可能性があり帰って来られなかった」と話していた。
 3市町村とも23日はすべての小中・支援学校の登校時間を午前10時半に遅らせた。

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