2017-10-14 07:00 am by 須坂新聞
須坂市は9日、市立博物館の在り方や、老朽化に伴う移転の適否などを検討する市立博物館基本計画策定委員会を設置し、市防災活動センターで初会合を開いた。来年9月ごろまで8回程度開いて、基本計画を作成する。移転の適否は来年3月ごろまでに結論を出す考え。委員長に就いた笹本正治・県立歴史館長(前信州大学副学長)はあいさつで「子どもの時に癖を付けて遊びに来る、そのような博物館をどのようにつくっていくかが非常に重要。須坂市のまちの将来の中で、博物館はどうあるべきか、広い視野で検討しなければならない」と話した。
市立博物館は臥竜公園北側にある。本館は1966(昭和41)年建設、補強コンクリートブロック造り一部3階建て。増築した新館は79(同54)年建設、鉄骨造り2階建て。延べ床面積計711平方メートル。築50年が経過して老朽化し、耐震補強が必要となっている。
そのため市は銀座通りにある笠鉾会館(1995年建設、鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積1,213平方メートル)と、市立博物館分館の歴史的建物ふれあい館まゆぐら2階(木造、延べ床面積91平方メートル)に分散移転する方針を示している。
理由について、財政負担や、市公共施設等総合管理計画にある「公共施設だけを考えた『部分最適化』ではなく、市のまちづくりを考えた『全体最適化』」「新しく造るから賢く使う」「市民負担の少ない施設としての有効活用」などを踏まえると共に、銀座通り一帯を歴史文化ゾーンとして充実、活性化するためとしている。
市の方針に対して、市民や市議会議員からは、笠鉾会館は展示や収蔵スペースが十分ではないなどの理由から、建て替えや、別の施設への移転を求める声もある。
同委員会では、市立博物館の移転の適否のほか、今後の事業や展示構想などについて検討し、基本計画を作成する。
委員は、笹本さん、倉石あつ子・前跡見学園女子大文学部教授、梅干野成央(ほやのしげお)・信大工学部建築学科准教授、村石正行・県立歴史館専門主事、米沢愛・真田宝物館学芸員のほか、市内小学校、保育園、文化財審議委員会、博物館協議会、ボランティア会、区長会、須坂商工会議所、須坂景観づくりの会の代表、高校生2人の計15人。
初会合で三木正夫市長代理であいさつした中沢正直副市長は「須坂市に求められる博物館の在り方について、移転・非移転を含めて検討して」と述べた。
正副委員長互選後、現状把握のため、市立博物館や笠鉾会館、旧小田切家住宅などの文化施設を視察した。11月に予定する次回から本格的な検討を始める。
また、11月1日〜30日に、市ホームページなどで市民から市立博物館の在り方について意見を募る。問い合わせは市立博物館☎026-245-0407まで。
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