井上小で「福島の大幟」公開〜児童が地域学習で見学

2017-10-14 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 井上小学校の体育館に5日、日本最大級の「福島の大幟(おおのぼり)」(明治13年制作/市指定有形文化財)が広げられた。地域を紹介するパンフレット作りに向け学習する6年松組(19人、石川智広教諭)の要望を受け、福島町の福島天神社氏子(花井一誠氏子総代長)が公開に協力した。児童らは、分館報ふくじま特別号の編集にたずさわる花井かおりさん(47)から話を聞き、熱心にメモをとった。
 大幟は小布施町の豪商で文化人の高井鴻山が73歳の時に「懋徳(ぼうとく)」、「護衟(ごどう)」と揮毫(きごう)した一対で、それぞれ長さ22.5m、幅4m。
 花井さんは大幟が作られた時代について、明治維新の廃藩で宿場の機能がなくなり、千曲川の洪水もあって福島村は荒れていった、と説明。村の再建や人々の心を一つにする目的で、福島天神社本殿の新築と併せて、他にはない大きな幟を新調し、村の新たな誇りにしようと考えたのではないか―と話した。また「懋徳・護衟」の意味は、品格を高めて正しい行いをすること、と説明した。
 本物の幟が建てられたのは計13回で、最後は昭和53年10月の社殿屋根銅葺替特別大祭。その後、複製品が作られ、平成5年に上信越道開通記念で建立。平成27年10月24日〜11月2日に22年ぶりとなる建立が実現し、地域を沸かせた。
 藤木駿君は「本物は古めかしくていい感じ。2年前に大幟を見に行ったけど、本物ならもっとよかったなと思う」と話していた。
 パンフレット作りは、国語と総合的な学習の時間を兼ねた取り組み。小坂神社や井上城跡など、井上地区のさまざまな史跡・名所を巡って学習するほか、農作物や企業についても調べ、年内には完成させる予定。
 また大幟を間近に見る機会は貴重として、他の学年も見学した。

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