【須坂市立博物館】出土品から須坂人の暮らし〜旧園芸高発掘調査の成果初公開

2017-08-05 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市立博物館は今月27日まで、「古代須坂びとのくらし〜須坂園芸高等学校発掘速報展」を開き、旧須坂園芸高の敷地内で6年にわたり発掘調査した成果を初公開している。調査中に出土した土器などから、弥生時代から奈良・平安時代に生きた須坂人の暮らしぶりがうかがえる。 
 今回の調査は市教育委員会が平成23年度〜28年度、新たに建設する須坂創成高校の管理商業科棟や昇降口棟、特別教室棟の予定地などで行った。特別教室棟の予定地では平安時代の住居跡のほか、須恵器や土師器(はじき)、黒色土器などが出土した。
 旧須坂園芸高は開発の際に事前届け出が必要な須坂市埋蔵文化財包蔵地の1つである塩川・須坂・小山遺跡群内に位置する。昭和34年のグランド整地時、弥生土器が出土。平成2年に食品加工棟の建設前に行われた発掘調査では古墳時代の住居跡、弥生時代や奈良・平安時代の土器片が出土した。
 これまでの調査で住居が2軒確認されたほか、弥生時代と平安時代の遺物がほぼ同じ深さの土中から出土したことが分かった。須坂は松川・百々川・鮎川などが作り出した穏やかな扇状地だが、ほぼ同じ深さから異なる時代の遺物が出土したのは水害などで流されて集まったものと推定されるという。
 同館学芸員の高橋千穂さんは「多くの出土品は人々がこの地に生きた証だと思う。今回の調査で遺跡としての位置づけを確固たるものにしたと思われる。郷土に生きた昔の人々の暮らしに関心を深める機会にしてほしい」と話している。
 同展ではこれまで発掘・出土した約50点を展示。開館時間は午前9時〜午後5時。月曜休館。同館☎026-245-0407。

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