【須坂市議会】須坂温泉への補助認めず〜施設修繕費修正案を可決

2017-07-08 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市議会6月定例会は5日、閉会した。最終日の本会議で市議会は、市提出の2億4,500万円を追加する本年度一般会計補正予算案に盛った、市出資の第三セクター須坂温泉株式会社に対する施設修繕補助金500万円を減額、予備費に組み替える修正案を賛成多数で可決した。修正部分を除いた補正予算案は原案通り可決した。「須坂温泉は市にとって必要不可欠」として、存続のため補助したい市に対して、市議会は同社からの貸付金返済計画や長期的な補助の見通しが明確でない中での市費投入にノーを示した。
 修正案は宮本泰也議員ら3人が提出した。修正理由について
(1)市は平成26年度に同社に2億2,600万円余を貸し付け、15年で回収する計画を立てたが、3年で変更し、年間返済額を減額して返済年数を延長することになった責任の所在が明らかになっていない
(2)須坂温泉の施設整備や市の補助計画が明確に示されていない中で、今回500万円の市費投入を認めれば際限なく市費をつぎ込む危惧がある
(3)市は須坂温泉存続を優先しているが、市民にとって貸付金残り約1億9,400万円の債権保全が優先されるべきで、その返済計画も明らかにされていない中での市費投入は時期尚早―とした。
 議長を除く19人で採決し、賛成16人で可決した。
 修正案可決後の本紙の取材に三木正夫市長は「議決は重く受け止める。設立経緯や市の観光振興などの面からも須坂温泉は市に必要だと思っているが、議会の理解を得られなかった。取締役会などで対応を話し合って、存続のため知恵を絞りたい」と話した。
 修正案に賛成した議員の1人は「須坂温泉のあり方、今後どうするのかといった議論がなかった。そうした中で補助するのは疑問。市民は納得しないと思う」と話した。
 須坂温泉は経営立て直しのため事業(古城荘)を民間業者に賃貸する方針。貸し主が施設修繕費を負担するのが一般的だが、同社に資力がないことから筆頭株主の市が補助する考えだった。市は補正予算案にそのための500万円を計上。今後も継続的に補助したい意向を示していた。市は「補助金がなければ民間業者への賃貸が行えない状況になる」としていた。
 市議会は一般会計補正予算案の、地元農産物を使ったスムージー普及による健康づくり事業について▽事業目的に健康増進を挙げている一方で、主目的はスムージーの販路拡大、地域農産物の用途拡大、地域活性化と説明していることから、健康福祉部で取り組む事業なのか検討すべき▽スムージーはすでに開発されていることから、一般家庭への普及を主目的にした事業展開を検討すること―などとする付帯決議を可決した。

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