森上小児童が教室で飼育するのは?〜須坂製糸を学ぶ

2017-07-01 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 森上小学校の5年仁組、1年仁組はそれぞれ、教室で蚕の飼育をしている。命の教育や、製糸業で栄えた須坂の歴史を知る活動につなげる取り組み。親しみを込めて“おかいこさん”と呼び、日々の成長を喜び合う。
 昨年6月、4年仁組の担任だった塚田妙子先生(現1年仁組担任)は、岡谷市の岡谷蚕糸博物館から幼虫350頭をもらい受けた。児童らは校内などにあるクワの葉を与えながら生態を学び、新聞にまとめた。繭(まゆ)を作り、成虫になると、交尾後に1頭で約500個の卵を産むことを知り、「今度は卵から育ててみたい」と児童たち。そこで、飼育できる範囲で産卵させ、越冬。その他の繭はストラップ作りなどに活用した。
 今年3月、孵(ふ)化の時期を先に延ばすため、卵を理科室の冷蔵庫で保管。5月末と6月中旬の2回に分けて庫外へ出した。順次孵化し、現在は計300頭を飼育する。
 5年生になった児童たちは2年目の挑戦。クワの葉を勢いよく食べる蚕を見守りながら「去年初めて育てておもしろかった。今年も楽しみ」と永泉晴翔君。松本藍さんは「蚕は白いイメージだけど、孵化したては黒いからおもしろい」と話した。蚕は孵化後、4回の脱皮を繰り返しながら1カ月ほどで糸を吐き繭を作る。5年仁組担任の成田亜弓先生は「繭の活用や今後の学習は、子どもたちの意見を取り入れながら進めたい」とする。
 1年生は、絵本や実際の飼育を通して、蚕に愛情を注ぐ。丸山雫月(しずく)さんは「かわいい。楽しい気持ちになる」と、食欲旺盛な“おかいこさん”を観察していた。
 塚田先生は「製糸の町だった須坂に、今は蚕を飼っている人がいないのが残念。子どもたちが蚕のことを知り、家庭でも話題になれば」と話している。

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