【須坂温泉から須坂市へ】貸付金返済年数2倍に延長〜年間返済額を減額

2017-07-01 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市の加藤光弘産業振興部長は23日の市議会一般質問で、市が51%余を出資する第三セクターの須坂温泉株式会社(大谷町)の市への貸付金返済(残り1億9,400万円余)について、当初の計画を変更して本年度から3年間は猶予し、その後、年間返済額を減額して、返済年数を2倍程度に延ばす見込みであることを明らかにした。同社経営立て直しのための民間業者への事業(古城荘)賃貸に伴う市の支援策。
 市は平成26年度に同社に2億2,600万円を貸し付け、同年から15年で返済(年額1,600万円余、1年目は利息のみ)してもらう契約をした。返済計画変更の理由について加藤部長は「当初は計画通り弁済できるとみていたが、ホテル・旅館の競争激化や消費の低迷など経済状況が変化し、厳しくなった」と説明した。
 民間業者への事業賃貸期間を10年とすることに対して、宮本泰也議員が「契約した民間業者が契約期間の途中でやめてしまったらどうするのか。(契約条件に)違約金などの担保を付けるのか」とただした。
 同社取締役を務める加藤部長は「7月7日の応募業者からの事業提案審査で、しっかりと経営計画を聞き、必要であれば取締役・監査役会議で判断していく」と答えた。
 市が「須坂温泉は市にとって必要不可欠」とする理由について、28日の予算決算特別委員会経済建設分科会で加藤部長は、設立趣旨の市民の憩いや健康増進、市民出資によって設立された経緯、市の観光振興への寄与などを踏まえて市が判断したと説明した。
 石合敬議員は「市民がどれだけ必要としているか調べるべき。設立当時と状況が変わってきている」と主張した。加藤部長は「合宿客や観光客など年間約13,000人の宿泊などがある。観光振興に寄与している。市内には温泉宿泊施設が少ない」とした。
 複数の議員が、貸付金返済計画の変更を疑問視し、今後の施設修繕補助など、須坂温泉に対する市の長期的な財政負担の見通しを示すよう求めた。
 市は6月市議会提出の一般会計補正予算案に修繕補助金500万円を計上。今後も修繕の見込みを勘案しながら継続的に補助したい考えで、加藤部長は「大規模改修などが必要な場合は議会にしっかり説明する」と答えた。
 事業手法を賃貸とした理由について、市は民間の経営ノウハウと資金を活用して、民間業者に自由に経営してもらえる。売り上げに関わらず一定の賃貸料収入を得ることができるとした。
 売却・完全民営化する場合は発行株式の清算約6,500万円、市貸付金の清算約1億9,400万円などがかかるという。委託方式で経営を民間業者に任せる場合は、須坂温泉から委託料を支払う必要などがあるとした。

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