【須坂新聞調査隊(21)】 積雪の際の除雪態勢は?

2017-02-04 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 1月14日から17日にかけての大雪は須高地区の道路交通網に大きな影響を与えました。積雪の際には行政が主要道路の除雪を行う一方で、住民も協力して通学路などの雪かきを行っています。そうした態勢がどのようになっているのか県や各市町村などに聞きました。
 須高地区の車道の除雪は、国道と県道は県、市町村道は各市町村が担当します。除雪する路線は、各自治体の除雪計画などであらかじめ決められています。国道・県道は須高全体で計122km、市道は154km、町道は88km、村道は70kmです。
 実際の除雪作業は主に委託業者が行います。基準に基づいて5〜10cm以上の積雪になったら行いますが、路線や地区ごとに担当の委託業者や行政職員が状況をみて判断します。除雪は幹線道路などの優先路線や緊急確保路線が優先されます。作業は基本的には通勤時間帯(午前6〜7時ごろ)までに終わらせるようにしているそうです。
 須坂市の場合は市内を21ブロックに分け、最大で市や業者所有の除雪機22台を用いて行います。小布施町は町内外の協力企業が除雪車27台を持ち、路線担当を決めて除雪。高山村は路線ごとに最大で村や業者所有の除雪機26台で行います。
 基準以上の積雪が続いた場合や、雪が踏み固められるなどして路面状況が悪かったり、雪が路肩に積み上げられて道幅が狭くなっている路線などは、必要に応じて日中や翌日以降も除雪を行います。
 市道路河川課や町建設水道課によると、除雪機、オペレーターとも限られているため、先ごろのように短期間で大量の積雪があった場合などは作業が追いつかないことがあるそうです。
 町建設管理係長の林信廣さんは「30年前は複数のオペレーターで除雪機1台を24時間動かせたが、今は1台に1人」と人手不足を指摘しています。
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 一方で、市内では本郷町や南小河原町、新田町などが、一定規模以上の積雪があった場合、区全世帯に呼びかけて、隣組単位などで通学路や歩道の雪かきをしています。
 野辺町では小型除雪機や除雪ができる農機具を所有している区民が「除雪協力隊」、旭ケ丘町では区民有志が「除雪応援隊」を組織して区内の通学路や歩道などの除雪を行っています。市道路河川課によると、ほかにも住民同士が協力して、同じような取り組みをしている町は少なくないそうです。
 高齢者宅の除雪についてもそうした中で、隣近所で助け合ったり、町の住民グループや有志が行うなどしているところがあります。ほかに、東地区を対象にした「雪かきボランティア」が一昨年に結成されました。市社会福祉協議会に事務局を置き、依頼があれば登録者を派遣して、有料で雪かきを行うそうです。出動実績はまだないそうです。
 小布施町でも自治会単位や町全体で同じような取り組みが行われています。
 須坂市旭ケ丘町の冨永正文区長は「高齢者宅の除雪は今は近所の人たちにやってもらっているが、地域全体の高齢化が進んでいるので、大雪の場合は自分の家の除雪だけで精いっぱいという人も多い。今後どうすればいいか悩ましい」と話しています。
 なお、須坂市は市内69町のうち、半数以上の町に合わせて70台以上の小型・中型除雪機を譲与しています。小布施町は全27自治会に計27台の小型除雪機を貸与しています。高山村は村内全26地区に歩行型除雪機計35台を貸与しています。

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