米子大瀑布は火山活動繰り返した後…

2016-11-12 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 市立須坂図書館は3日、常盤町の旧上高井郡役所で、米子瀑布群名勝指定記念講演会を開いた。信州大学教育学部准教授の竹下欣宏(よしひろ)さんが「地形と地質が語る米子瀑布群の生い立ち」の演題で話した。米子瀑布群の形成について、南側にある四阿山(あずまやさん)やその山頂付近のカルデラ(くぼ地)が関わっていることなどを解説した。
 竹下さんは、市の米子瀑布群に関わる学術調査委員会の委員を務めた。米子瀑布群は直径約3kmの四阿カルデラと厚い溶岩層の巨大な岩壁が組み合わさってできているという。
 竹下さんは現地調査や分析を踏まえて、四阿山は約80万年前〜46万年前にさまざまな噴火を繰り返して、大きな火山に成長したと推定した。
 約80万年前〜65万年前に、地中から上ってきた高温の温泉に岩石(溶岩)が反応して腐り(熱水変質)、浸食と地滑りを繰り返してカルデラができた可能性が高いとした。これまでは爆発的な噴火によって形成されたと考えられていた。
 旧米子鉱山事務所の裏側などにも地滑りの地形が見られ、「地滑りによってできた平らを人はうまく見つけ、(鉱山事務所を設けるなどして)利用していたことを感じた」と話した。
 米子大瀑布がかかる切り立った岩壁は、厚く硬い溶岩層が熱水変質に耐えて残った一方で、約46万年以降、米子川がその下部を流れるようになり、浸食や地滑りした結果できあがったと推測した。その際に不動滝や権現滝ができたという。
 米子大瀑布は、普段は権現滝と不動滝の2条だが、降雨後は多い時には10本の滝が出現する。「落差が80mぐらいある大きな滝が、これだけ多く見られる場所は日本ではここだけ」と話した。

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