本郷ため池で除去した泥は何トン?

2016-05-14 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市本郷町区(永井久司区長)などでつくる「本郷ため池芦等除去作業と日滝の水利を学ぶイベント実行委員会」(越吉広委員長)は3日、水を抜いた本郷ため池でガマ(ガマ科)やアシ(イネ科)などの根を含む泥を除去した。参加者は160人(区内140人、区外10人、市関係者10人)。乾いた泥の厚さは10cmを超えた。2時間ほどで全体の8割に当たる55tの泥を袋に詰めて積んだ。
 ため池は、24年ぶりに土砂しゅんせつや防水シートの補修などを行い、昨年10月に竣工(しゅんこう)式をした。戦国時代以前から築造されていたともいわれ、日滝地区に農業用水や生活用水などを供給してきた。
 作業に参加した竹前果南(かな)さん(日滝小5)は、昨年の小学校授業で上流の高井野村と日滝村との間に起きた江戸時代の水争いを学習した。「土を袋に詰める作業は大変だけど楽しい。普段近寄れない池は思ったより深い」と応えた。
 一方、ため池で遊んだ中村元保さん(51)は「子供の頃釣りをした。タニシがたくさんいた。水がない冬は降りられた」と語った。
 終了後、実行委員会の永井区長は「根の除去ができ、ため池のボリューム確保に効果があった。自分たちのため池と再認識でき、水に対する興味を持ってもらう目的は達成できた」と語った。
 第2部(本郷研修センター)では、高山村誌執筆者で郷土の歴史に詳しい湯本直嗣さん(高山村黒部)が「日滝を潤す水の歴史を考える」と題し講演した。
 上流から下流へ、長年苦労しながら水を真剣に管理する様子や歴史的事実が語られた。
 席上、江戸時代の水論評定所裁許(水争い訴訟和解案、1797年・寛政9年)から220年を迎えることから、樋沢水利組合(高山村)の藤沢三喜男組合長と越実行委員長が握手し、水の保全に対する思いを共有した。

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