「命の救出」自衛隊に寄贈〜勝山勲さんが御嶽山の救助活動描く

2016-03-26 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市沼目町の勝山勲さん(88)が、2014年9月27日に発生した御嶽山噴火災害で救助活動にあたった自衛隊員の活躍を描いた50号の油彩画「命の救出」が陸上自衛隊松本駐屯地に寄贈されることになり、23日、須坂市役所で贈呈式が行われた。
 勝山さんは新聞やテレビで報道される現場の状況を見て、「救助活動に従事する皆さんの姿を絵に残して、命の大切さや災害の悲惨さを後世に伝えたい」と思い立ち、火山灰の中を山頂へ向かう隊員たちを描いた。
 勝山さんの作品には命の大切さや助け合いの精神を訴えるものが多く、今までにも、2004年の中越地震での東京消防庁ハイパーレスキュー隊を描いた「命尊し」を同庁に、2011年の東日本大震災では復興への願いをこめて、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を同市に、自衛隊員の活躍を描いた「命をさがせ」を陸上自衛隊多賀城駐屯地(宮城県)に寄贈している。
 贈呈式には三木市長も立ち会い、松本駐屯地からは平田雄嗣司令らが出席した。席上、勝山さんは「小学生の頃、先生に人という字は人が人を支えていると教えられた。災害のニュースを見るたび人という字を思い出し、絵を描きたい気持ちになる。この絵を見て、命は何より大切で、その命は多くの人に支えられていることを感じてもらえれば幸い」とあいさつ。
 勝山さんが審査委員長と称する妻の松子さんも「いつも言っているが、被災地の写真は何枚もあるが、絵は世界中にこれしかない」と後押しした。
 これに対して、平田司令は「大変ありがたい寄贈で、身が引き締まる。いつも隊員の目にとまるよう隊員食堂に飾りたい。今後も自衛隊の使命を果たし、県民の安心安全を守っていきたい」と感謝の言葉を述べた。
 勝山さんが絵を始めたのは民間企業や市の嘱託・臨時職員を退いた70歳になってから。臥竜山で遭遇したカモシカを描いた作品を見た松子さんから「これだけ描けるのなら本格的にやってみれば」との勧めもあり、独学で始めた。
 現在も精力的に制作しており、2013年には、年齢にとらわれることなく生き生きとした生活を送っている高齢者を表彰する内閣府の「エイジレスライフ」の実践者にも選ばれている。

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