峰の原高原スキー場、活性化へ取り組み

2016-02-13 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon 須坂市の峰の原高原スキー場は今季、親子で遊べるキッズパークと、スノーボードのキッカー(ジャンプ台)があるスノーパークを整備し、新たな客の呼び込みに力を入れている。子どもから大人まで一緒に楽しめるゲレンデの魅力をさらに高めるため、今季から加わった専属スタッフが奮闘中だ。
 好天に恵まれた5日、キッズパークは市外の幼稚園から訪れていた200人ほどの団体でにぎわっていた。「上からお友達が滑って来ます。ぶつからないように気を付けましょう」。スタッフが安全を呼び掛ける中、親子でソリ遊びなどを楽しむ姿があった。
 キッズパークは同スキー場にある3本のリフトのうち、中央の「イエローライン」の向かいにある。子どもたちがソリなどで滑ったり、スキーやスノーボードの練習もできる。
 特に人気を集めているのが、浮き輪のようなチューブに乗って滑る「チュービングコース」だ。全長約40m、幅約1mの緩やかな斜面を滑る。ゴールにある曲線の雪壁によってスピードが落ち、止まるようになっている。
 スピードを感じながら、コース途中の起伏ではチューブが浮く面白さもある。子どもをはじめ大人にも好評のようだ。両パークの責任者小林伸明さん(36)によると、週末には一日中遊んでいる子どももいるといい、キッズパークの目玉になっている。
 一方、キッズパーク向かいのゲレンデには、上級者向けのキッカーが整備されたスノーパークがある。「子どもたちに大人の格好いい姿を見せてスノーボードに興味を持ってもらいたい」と、キッズパークからも見える位置に設けた。
 上級者向けは、踏み切りから着地までの距離が6mと10mのキッカーが連続して楽しめる。別の場所には初級者向けの4mのキッカーもあり、「いろいろなレベルのお客様に満足してもらえるように」と考えている。
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 同スキー場は両パークの新設にあたり、経験がある30代前半〜40代前半の男女5人を専属スタッフとして加えた。チュービングコースやキッカーもスタッフの手作りだ。
 小林さんは「(両パークとも)安全に楽しんでもらうことが一番」。危険な遊び方をしている客に対しては注意を促すなどして安全を確保している。
 接客にも力を入れ、キッズパークではスタッフが遊び方の提案もしている。チュービングコースのスタート地点では、スタッフがチューブを押してサポートしているが「チューブを回転させたりしながら変化をつけている」と言う。
 また、小林さんをはじめ男性スタッフ3人は、スノーボードパークの設営などをするディガーとしての実績を持つ。ディガーは利用客との信頼関係が大事な要素の一つといい、小林さんらが手掛けるパークのオープンを「待っていてくれる人もいる。スキー場に貢献していきたい」と話している。
 同スキー場を運営する菅平峰の原グリーン開発取締役支配人の斉藤哲也さん(55)によると、今季は暖冬による雪不足や、1月に軽井沢町で発生したスキーバス転落事故による打撃を受けているというが「新たなお客様が増えている」との手応えも感じている。
 今後は新設した両パークはもちろん、通常ゲレンデやスノーボード競技の練習コースを含め、総合力で誘客につなげたい考えだ。
 冬の峰の原にとってスキー場は欠かせない存在。情報発信も強化し「泊まりのツアー客を増やしていきたい」と、峰の原全体の活性化に向けて取り組みを進めていく。

2016-02-13 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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