ふるさと納税大幅増加〜須坂1億円超、小布施も届く勢い

2015-11-28 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 本年度、須坂市と小布施町のふるさと納税の寄付額が急増している。須坂市は先ごろ1億円を超え、小布施町も1億円に届く勢い。共に返礼品を充実させた効果などが表れたという。過剰な「特産品合戦」にならないように注意しつつ、地域振興につなげようと知恵を絞っている。
 須坂市のふるさと納税制度「信州須坂ふるさと応援寄附金」の寄付額が1億円を超えたのは2008年度の導入以来初めてで、昨年度の約8倍だ。本年度から寄付者への返礼品の種類を大幅に増やしたり、ふるさと納税専用サイトで手続きを簡略化したことなどが要因という。
 25日現在の寄付額は約1億668万円、寄付件数は6,982件となっている。これまで最も多かったのは、寄付額、件数とも昨年度で約1,358万円、1,395件だった。
 昨年度までは返礼品が1種類で、5,000円以上の寄付者にリンゴ「サンふじ」5kgを送っていた。本年度から充実を図り、現在は73品となっている。ブドウ、リンゴ、みそ、日本酒、ワイン、おやき、そばなどの特産品のほか、須坂温泉古城荘や峰の原高原のペンション宿泊券なども。
 1万円以上、2万円以上、3万円以上、5万円以上のコースを用意し、煩雑だった手続きを、業者に委託して専用サイトからクレジットカードで簡単に決済できるようにした。
 本年度のこれまでの寄付者の約半数は関東地方。返礼品はブドウのシャインマスカットが一番人気で、次いでナガノパープル、サンふじ、モモの川中島白桃、ナシの南水となっており、果樹が上位を占めている。
 4月以降、事務局の市政策推進課には1日平均10件ほどの問い合わせがあるという。「ふるさと納税を通じて、須坂を知ってもらうきっかけにしたい。返礼品をさらに充実させていきたい」と話している。
 返礼品の登録は随時受け付けている。市では来年春先に、農家や事業者向けの説明会を開く。
   ◇  ◇
 小布施町のふるさと応援寄付金は今年度11月19日現在で7,800万円に達し、急増している。リンゴやブドウなど返礼の特産品を充実したため。町内メーカーのマルチコプターを求める70万円コースの寄付もあり、関係者を驚かせている。 
 昨年度までは返礼が町内美術館の無料優待券だけ。寄付金額も年100〜300万円ほどだった。今年度は1億円に届く勢い。
 4月からインターネット専用サイトのクレジット決済を可能にし、1万円から70万円超まで約30コースの返礼メニューを用意した効果が表れた。
 人気はふじリンゴ、ブドウのシャインマスカットなどの果物。農産物は町振興公社を通じて出荷している。新規就農者を応援するコースもある。
 小布施町のファンづくりを目的にした宿泊費込みの町内滞在コースも計300万円分の寄付金を集めた。
 11月に入り、町商工会を通して商工業製品を返礼に加えたところ町内メーカーの無線飛行機マルチコプターにすぐに3件の寄付が入った。2機種のうち高額コースのマルチコプターは空撮装置付き。
 寄付金の半分は返礼品代金。残りは町の財源になる。ふるさと寄付金を担当する町企画政策課の西原周二課長は「寄付金は地域の産業振興や町財政にとってありがたいこと。町議会の指摘もあり、特産品合戦にならないような返礼を考えている」と話す。
   ◇  ◇
 高山村のふるさと納税は「村ふるさと景観育成寄附金」として、景観育成事業に対する賛同者から寄付金を募っている。本年度は25日現在、8件99万円となっている。村総務課によると「毎年寄付を続けていただいている人が多い」と言う。
 1口1,000円。高価な返礼品は設けていないが、寄付金の目的である景観育成や保全を通じ、癒しの風景として還元していく内容だ。村ホームページへの掲載や、県外イベントでパンフレットを配布してPRしている。
 村総務課は「村に足を運んでもらうことで寄付金が地域づくりに生かされていることを実感してほしい」としている。
 過去の実績では、最高額が2013年度の246万円。件数は6〜10件で推移している。25日現在の累計は63件約1,050万円。

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