須坂市誌編さん室〜中世ゆかりの仏像調査開始

2015-06-20 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 市誌編さん室(常盤町、旧上高井郡役所1階)は、平成28年度に『須坂市誌 第三巻歴史編1』(原始・古代・中世編)の発刊を予定している。来年5月末まで中世ゆかりの市内寺院で仏像等を調査する。初回の11〜13日は、飯田市美術博物館から仏教美術が専門の織田顕行(あきゆき)学芸員を招き、9カ寺と1社を調査した。
 同寺の本尊は、木造(材はひのきか)、玉眼、像高78.3cm。仕上げは、顔や肉身部が金泥、衣部は金箔の上から黒く塗る古色。彫りなどの特徴から、作者は快慶(13世紀前半ごろ)の流れをくむ仏師とみられる。制作年代は「外観から判断すると13世紀末から14世紀前半とみえる」(織田学芸員)。付属は台座、光背。台座は江戸時代か、修理した跡が見られる。
 同寺ではほかに、聖徳太子立像(須坂市指定有形文化財、木造、玉眼、像高100cm)や親鸞(しんらん)聖人絵伝(4幅、絹本著色)を調べた。詳細は報告書に記される。
 担当する涌井二夫市誌編さん専門員は「今後は浄土宗系の大寺など中世にゆかりのある市内寺院や、大谷町公会堂に安置される須田氏ゆかりの日瀧寺(にちりゅうじ)の仏像など廃寺、廃堂、廃庵も調べたい」と話す。
 青木広安市誌編さん主任専門員は「昭和31年、34年に市教委がまとめた、文化財(神社・寺院編)と須坂市文化財(仏像・民間信仰編)の2冊の発刊以来50年が経過する。寸法は尺からセンチやミリで測り直し、市誌歴史編1に収録したい。新しい発見に期待している」と話す。

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