【最終処分場】絶対的8条件満たせば賛成〜仁礼区民検討会が区へ答申

2015-05-16 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 長野広域連合と須坂市が協議を続ける一般廃棄物最終処分場について、建設候補地(旧土取り場)の地元区、須坂市仁礼町区(田中敏治区長)から受け入れ可否判断を諮問される「一般廃棄物最終処分場を考える検討会」(田中義一会長、区民60人)は6日、区へ答申した。譲れない「絶対的条件8項目」を満たす場合に受け入れを可とする、とした。区は7日付で区全戸に答申内容を報告した。今後区の最終意思を決める。
 広域連合と市が平成21年8月に同区に協議を申し入れてから5年8カ月が経過する。
 区は、広域連合と市が昨年12月6日に建設受け入れの可否判断を区に依頼したことを受けて、12月9日に区民でつくる同検討会に諮問。検討会は、12月18日から4月30日まで7回(現地見学会含む)の審議を経て検討会としての結論を導いた。
 受け入れにあたっての絶対的条件とは、?埋め立て物は溶融スラグ、反応飛灰処理物、溶融不適物とし、それ以外を埋め立てた場合は速やかに全てを撤去する?粉じん対策では散水等の処置を取り、最大限の注意を払う。区の要望により一時的に埋め立て中止ができるようにする。埋め立て地内と周辺集落の空気中の粉じん量を、埋め立て開始前と開始後年4回以上測定し、結果を報告公表する
 ?モニタリング井戸の水質検査では、埋め立て地より下に4カ所以上設け、1カ所は鷹清水とする。埋め立て地内と下の水質検査を年1回以上実施し、結果を報告公表する。埋め立て地より下で健康に影響のある物質が国の基準以上検出された場合は速やかに国の基準以内となるよう対処しなければならない
 ?放射能測定は埋め立て開始前に測定し、結果を報告公表。開始から終了まで年1回以上測定し、結果を報告公表する。埋め立て物は1?当たり100ベクレル以下しか埋め立てない?埋め立ての高さ制限等では、標高647m以下とする。搬入路は埋め立て予定地の上方に設け、東側の南と南側(福沢集落側)の谷間をつくらない。現地形になじむよう配慮し、上部は福沢と栗毛を水平にする
 ?東側の高速道で土砂を採取した斜面の保全では、長期的に崩落が予想されるので、東側斜面全面を買収し、必要により埋め立て地の保護をするための土砂崩落防止施設等を設け、永久に処分場の保護をしていく
 ?埋め立て地に浸透しない雨水、埋め立て地周辺の雨水処理(西原や浅間塚地域等の集水面積を考慮)では、時間雨100?以上の集中豪雨が予想されるので、埋め立て地の漂流雨水と周辺雨水を一時的にためる池を設置するとともに、搬入路の側溝兼用排水を再検討し、鮎川までの導水施設をつくる
 ?地域振興補助(迷惑料や協力費等)については、どこの地域でも敬遠する施設を受け入れる苦渋の選択と、区民に心配を永久に背負わせるにふさわしい金額を、用途廃止まで毎年度区へ交付する―とした。
 検討会の田中会長は「8項目の条件が満たされた場合は受け入れを可とするとの条件付き答申を申し上げた。安全安心とは申しながら、迷惑施設に変わりはない。埋め立てられたものは未来永劫(えいごう)当地区に存在し、豪雨による心配が堪えないと思う。区役員と区民の今までとこれからの心労にふさわしい結論を得て、広域連合・市との詰めをお願いしたい」とした。
 田中区長は「答申は苦渋の選択の結果と思っている。8項目を重く受け止め、尊重したい。答申を受けて区として検討し、場合によっては再度検討会と協議し、区として合意が図られた場合は検討会の趣旨に沿って交渉したい」と述べた。
 答申書には、区が最終的に受け入れを決めた後の交渉や協定書に盛り込む条件や要望など22項目も添えた。

2015-05-16 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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