須坂創成高、確かな一歩

2015-04-11 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂園芸高校と須坂商業高校を再編統合して誕生した須坂創成高校の開校式・入学式は7日、須園キャンパス体育館で行われた。記念すべき第1期生284人をはじめ保護者、県教育委員会、教職員、来賓約750人が出席。農・工・商の3学科を備えた総合技術高校としての新たなスタートを祝った。小椋勇人校長は「園芸、商業両校が今日まで築いてきた歴史と伝統の上に立ち、新たな時代に向け確かな一歩を踏み出していく」と誓った。
 開校式で伊藤学司県教育長は、学科横断・連携による専門的・多面的な職業能力の育成や、各学科の特性を生かした新たな教育活動を展開することで「産業構造の変化や技術革新に的確に対応。自己と社会の未来を切り開く能力を鍛錬し、須坂から世界に羽ばたく有為な人材の育成を目指していく」とあいさつ。生徒には「より高い理想を目指して研さんを積んでほしい」と呼び掛けた。
 来賓を代表して須坂市の三木正夫市長は祝辞で「須坂市、須高地区の教育がさらに活性することはもとより、長野県、日本の教育に貢献できる」と期待。「時代の先端を行く学校であることに誇りと自信を持ち勉学に励んでほしい」と述べた。
 小椋校長は、盛大に開校式が開催できたことを喜び、あいさつの中で校名、校章、校歌に込められた思いなどを紹介。校歌は「(歌詞に)生徒たちが自然豊かな須坂の地から壮大な世界へ羽ばたいていく湧き上がるような思いを込めていただいた。歌詞の思いを大切に明るくはつらつとした若さ溢れる雄大な曲」とし、「〈晴れやかに翼を広げ 遥かなる世界の空へ〉と歌われるように、世界へ羽ばたいていく人材の育成を目材していきたい」と決意を示した。
 この後、創成高の中曽根修教諭の独唱で校歌が初披露された。中曽根教諭は「新校にふさわしい校歌。これから生徒たちが歌い継いでいってほしい」。商業科の内田萌衣さんは「(創成 創成の)最後のところが覚えやすそう」と話していた。
 校歌は詩人で童話作家の高橋忠治さんが作詞、信州大学教育学部名誉教授の吉本隆行さんが作曲。編曲は作曲者の吉本さんの依頼で、過去に園芸、商業で音楽を指導した福田伸幸さんが担当した。福田さんは現在、須坂高に勤務している。
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 開校式後には入学式が行われ、農業科122人(男子58人、女子64人)、創造工学科40人(全員男子)、商業科122人(男子49人、女子73人)の計284人が入学した。
 小椋校長は式辞で、園芸、商業両校の同窓会をはじめ関係者が将来を見据えた中で新校の準備が進められたことに触れ「この崇高な精神に感動した。子どもたちの将来に責任を持つことは教育の使命」と感謝した。
 創成高の歴史をつくっていく新入生には「さまざまな体験から学び、大きな志と時代に対応できる知識と技術、柔軟な発想力を持って建学の精神につながる勉学に励んでほしい。創成高では課題に挑戦し創造する知の育成という学びが可能。自分自身で未知の世界を切り開いてほしい」と呼び掛けた。高校生活の中で健康な体づくりや自律ある行動、一生を託す夢を育てることを求めた。
 来賓を代表して同窓会の荒井清治副会長は、市内4高校同窓会役員が、高校再編問題について「須高地域の高校を考える会」を立ち上げて新校の在り方を検討してきたことを振り返りながら、「須高は歴史的にも地域が連携して人材を育ててきた教育風土がある」と述べ、創成高の発展に期待。「(1期生は)限りなく続く後輩の先導者として新たな歴史を刻んでいく」とエールを送り、努力を続けていくことの大切さを伝えた。
 新入生代表で佐藤陸君(商業科)は「私たちは須坂創成高校の第1期生。そのことを誇りに思い、校長先生をはじめとする諸先生方の教えと皆様方のご指導の下、学業に励んでいきたい。3学科それぞれの専門性を学びながら、それらの枠を超えたより広い学びができる新しい創成高の生徒として次の世代に伝えていく」と宣誓した。
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 創成高は「魅力ある高校づくり」と「高校の規模と配置の適正化」の2つを柱とした第1期県高校再編計画に基づき、園芸と商業を再編統合して開校。総合技術高校としては平成25年度に開校した飯田OIDE長姫に次ぎ、佐久平総合技術と共に県内2番目。
 農業科、創造工学科、商業科の3学科を設置し、学科横断と学科連携でより広い専門性を身に付ける学習を進めていく。農業と工業の融合による植物工場は、今後の進展が期待できる新しい分野の産業学習として期待されている。
 また、新設された創造工学科は学校と企業が連携して実践的な学習を行う「デュアルシステム」を導入。企業実習などは、須坂市内外の企業でつくる協力企業会(51社)が受け入れに協力していく。
 施設整備では、先ごろ須園キャンパス敷地内に工業棟が完成。今後は園芸高の既存の管理教室棟などを解体し、跡地に管理商業科棟を建設する。平成28年度に着工予定で、30年ごろの完成を見込んでいる。
 再編移行期は、平成27〜29年度まで須園(農業科、創造工学科)、須商(商業科)両キャンパスに分かれて学び、30年度以降、須園キャンパスに3学科の生徒がそろう。須商キャンパスは、体育館やグラウンドなどを体育施設として活用する。
 なお、園芸、商業両校は平成28年度末で閉校し、29年度から完全統合。創成高の事務局は閉校まで須園、須商両キャンパスに、その後は須園キャンパスのみに置く。連絡先は園芸、商業と同じ。

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