2014-10-18 07:00 am by 須坂新聞
現代ではほとんど見ることのないという、ラン科の植物「ツチアケビ」を須坂きのこの会の会員が採取した(写真は10月18号1面)。須坂市立博物館、須坂きのこの会、須高食品衛生協会が11日から13日まで市勤労青少年ホーム創造の家で開いた「第45回須坂きのこ展」に展示。大勢の人たちが見学や鑑別相談に訪れる中、約150種類の展示物の中でひときわ注目を集めた。45回の歴史の中で初めての異色の特別展示となった。
ツチアケビは、きのこではないが、ナラタケの菌がないと育たないという。採取した会員は展示会に出品するきのこを探しに長野市鬼無里の山中に行き、発見した。その時は「ツチアケビかどうか半信半疑だったので家に帰って確かめようと思って、写真を撮ってそのままにしてきた」という。会員は図鑑などからツチアケビと確信し、翌日再び現場に行ったところ、誰かが抜き取り、近くに捨ててあったという。
会員はツチアケビを同展に持ち寄り、県きのこ衛生指導員、県薬草指導員などを務める須山正男さん(小布施町伊勢町)が鑑別した結果、ツチアケビと断定された。
ツチアケビは根の中にナラタケの菌糸の束を取り入れ、ナラタケと共存して生育。茎は40〜50?から大きなものでは1mを超すものもある。上部では多くの枝が分かれ、枝の先に無数の花を付ける。果実はウインナーソーセージに似ていて、大きさは5〜6?、10?を超えるものも。名前は地中から出て、アケビに似た果実を付けることから付けられた。
須山さんによれば、昭和の末ごろまでは稀に山野の落葉樹林の下や笹薮などで見かけたが、現代ではほとんど見ることがない「幻の実」。今回の発見は「奇跡中の奇跡」という。発見した会員も「本当にびっくりした。誰かに持ち去られず、多くの人に実物を見てもらえてよかった。また、探しに行きたい」と話している。
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