市民有志で結成の峰の原ダボス会議〜「観光まちづくり」で活性化を

2013-09-21 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon スイスの保養地ダボスに世界各国の指導者が集まり、意見交換するダボス会議にならって、須坂市峰の原高原に隣接する菅平高原にもダボスという地名があることから、市民有志で昨年結成した「信州峰の原ダボス会議」の第1回会議が14・15日、峰の原高原のペンションマジョリカで開かれ、約30人が地域活性化やまちづくりを語り合った。

 同会議は昨年夏、プレ会議を峰の原高原で開き、NTT都市開発社長の牧貞夫さん(当時副社長、須坂市横町出身)の講演、コンサート、スポーツなどを行った。その経験を踏まえ、今回を第1回として正式に始まった。
 冒頭、同会議代表の中野博勝さん(中町、綿幸社長)が「須坂が誇る避暑地の峰の原高原を会場に、地域や人々が元気になるような夢やアイデアを出し合い、有意義な時間を過ごしましょう」とあいさつ。引き続き、東京大学副学長の西村幸夫さんが「観光まちづくりを考える〜須坂で景観を活かしたまちづくり」をテーマに講演した。
 西村さんは都市保全計画や都市景観計画などが専門。須坂市には伝統的建造物群保存対策調査(文化庁補助)を始め、さまざまな調査や研究でたびたび訪れており、なじみの人も多い。
 西村さんは市内の建造物の写真を示しながら、「一番注目したのは蔵のデザインが一つずつ違うこと。企業家が競うように建てた。製糸業が盛んだった証であり、川越や高岡などとは違う特徴。ぼたもち石積みや太鼓橋も面白い。庚申塔も飛び抜けて多い。須坂には石の文化があった。子どもたちの郷土学習になるし、こういうものを光らせていくと観光になる」と指摘した。
 観光とまちづくりについて、観光は「他者との関係、ビジネス、個人の努力が基本」、まちづくりは「仲間、ボランティア、皆で一緒に動く」。二つを融合する「観光まちづくり」は住み続けたい、訪ねてみたいと思わせる、魅力と活力にあふれる持続的な地域の実現であり、そのためには住民・資源・来訪者が調和し、地域が主体となった総合的なまちづくりが必要―とした。
 伸びている観光地は湯布院、長浜、小樽など町全体が面白い。温泉旅館を例にとれば隣の旅館がつぶれていてはダメ。温泉街と温泉街の競争であり、全体がよくないと生き延びれない。
 定住人口1人の年間消費額は121万円、これは外国人宿泊者7人分、国内宿泊者22人分、国内日帰り客77人分にあたり、交流人口の経済効果は絶大。観光は非常に重要であり「観光から観光まちづくりへ」、また「まちづくりから観光まちづくりへ」の戦略は須坂でも十分に考えられる―と提案した。
 講演後の意見交換では「迷路のまち須坂の特色を生かした観光まちづくりはどうか」「須坂には宝がいっぱいある。皆でいいまちにしていく努力が必要」など、多くの人が地域への思いを述べた。
 初日夜には女性3人組「サチア」のコンサートや懇親会、翌日はゴルフや散策など芸術やスポーツにも触れ、心身の健康増進や仲間との交流も深めた。

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