菅平牧場誌を発刊〜開牧130年のあゆみを記録

2013-07-20 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 菅平牧場畜産農業協同組合(小松忠勇代表理事組合長、組合員820人)は先ごろ、『菅平牧場誌〜一三〇年のあゆみ〜』(B5判、318P)を発刊した。明治16(1883)年の開牧から130年。組合に残る814点の史料整理をきっかけに発刊された。『菅平牧場百年史 付牛馬民族誌』(昭和58年)を踏まえ、牧場史でなく牧場誌とし、自然や史跡、観光などを幅広く記す。写真や地図、表が多く、読みやすく、親しみやすい。
 明治15年に設立された「灰野牧畜改良会社」が同16年に小県郡長村(現上田市)十ノ原・菅平の官有地200haを借りて始めた「北信牧場」が菅平高原における放牧の始まり。
 年々借地を増やし、明治40年には2,198haに拡大した。放牧頭数は全盛期の明治30年代に1,659頭に達し、県内最大の牧場に。平成24年度は1,566haを有し、481頭を放牧している。
 構成は口絵16P、本文214P(写真でつづる菅平の自然誌48Pカラー含む)、付録(文書目録、年表、役員・組合員名簿)。
 序文は小松組合長、三木須坂市長、市川健夫東京学芸大名誉教授(菅平牧場誌序説)。
 第一章信濃国における牛馬の畜産文化▽第二章北信牧場への端緒▽第三章北信牧場の開設▽第四章全盛期の北信牧場▽コラム菅平牧場にかかわる歴史散見▽第五章菅平牧場畜産農協の成立▽第六章牧場経営の現状と観光事業▽コラム菅平牧場30年の思い出▽第七章菅平牧場の未来▽写真でつづる菅平の自然誌=火山性高原、草花、チョウ、トンボ、虫、カエルとヘビ、鳥、哺乳動物▽付録―と続く。
 執筆者は、高冷地農業の地理学研究第一人者で監修者の市川健夫さん(小布施町)と、市川さんの高校時代の教え子で市川さんと共に菅平で調査研究を続けた青木広安さん(須坂市)、写真でつづる菅平の自然誌は野鳥研究の市川武彦さん(小布施町)が分担した。
 永田幸雄編さん委員長(須坂市)は15日の取材に「執筆者には短時間で無理をお願いした。豊丘市神(いちがみ)社境内の碑の功労者・篤志者の名前や、今も続く大日如来講、元組合長の30年の思い出など記録すべきものは幅広く記録した」と話す。

2013-07-20 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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