旧小田切邸を信大生が調査〜保存のための実測

2012-10-13 07:00 am by 須坂新聞

まちづくり icon 須坂市は9月〜12月末の予定で、取得した旧小田切家住宅(春木町)の実測調査等を信大工学部建築学科に業務委託し、信大生が調査に入っている。また、並行して信濃伝統建築研究所(長野市、和田勝所長)に保存調査を業務委託。本年度末までに破損部分等を調査して修復に向けた概算工事費を算出したいとする。建物は製糸結社「東行社」の創始者の一人、小田切辰之助(1839〜1904)が住み、近世、近代の須坂の歴史文化を物語る。景観上も核となる重要施設で、活用策が注目されている。
 敷地約1,300平方メートル。明治初期の建築とされ、本町通りに面して切り妻瓦ぶき、大壁、2階建て平入りの店屋と長屋門の店が並ぶ。石橋を渡ると、奥に母屋、その奥は中庭に接して四つの蔵と化粧室(離れ)がある。母屋の前には車屋、作業室、水車小屋がある。
 梅干野成央(ほやのしげお)信大助教(工学博士)は取材に「調査に入ったばかりで製糸業との関係や家の歴史など詳細は不明。建物の位置が水路を基軸とするか、道路かなどこれから」と話す。
 市は25年度に詳細設計、26年度から改修工事を行い、29年度に開館したいとする。
 建物の価値や景観上の重要性を指摘し、市に取得活用を申し入れた「市歴史的建物維持保存活用検討委員会」に今後の方向性を投げかけ、市民にはパブリックコメントで活用案を募りたい考え。
 土地取得や調査を含め歴史的建造物保存活用事業費は約5,890万円。国の社会資本整備総合交付金を使い、維持管理費を賄う程度の活用は可能との感触を得ているという。

2012-10-13 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。