古民家ゲストハウス開業へ〜本上町の伝統的町家を改修

2012-09-30 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon 山上万里奈さん(31)とスリランカ出身の夫サミーラ・ルクマルさん(32)は、須坂市本上町の古民家を借りてこのほど改修を終え、10月6日、簡易宿泊所「ゲストハウス蔵」の営業を始める。衣類や携行品などを背負って旅するバックパッカー(日本人、外国人)などを対象に、須坂の伝統的町家の心地よさを提供する。国道406号に面する併設カフェは母山上悦子さんが営む。
 山上さんは須坂市塩野町出身。中野西高英語科―独協大フランス語学科卒。学生時代に日本語教師の資格を取り、東京の日本語学校に就職した。1年3カ月後、中国に渡り、山東省栄成と浙江省杭州で2年間、日本語を教えた。帰国後、千葉県で日本語学校の専任教師となり、学校アルバイトスタッフのサミーラさんと知り合った。
 その後、東京の商社勤務や、飛騨高山の日本旅館で半年間、仲居を経験。接客を体系的に学びたいと昨年春、インターネットで調べて「ゲストハウス品川宿」で3カ月の修業を積んだ。同宿泊所を経営する会社の全国展開の方向と一致し、修業生の独立第1号で支援を受けて開業する。
 山上さんは独立について「日本語教師時代は楽しかったが、日本で学ぶ外国人が仕事の疲れから居眠りし、日本滞在を楽しめていないようだった。飛騨高山では滞在を心から楽しむ外国人に接した。中国で教えてみて、日中間の政治的課題よりも個対個の良好な関係が強いことを学んだ。外国人の地域への移住は確実に増えている。人と人が触れ合いを通して理解し合うことが大切」と話す。
 須坂景観づくりの会理事を務め、先ごろ、県庁で阿部守一知事と昼食を共にした。懇談で高速バスの英語予約ができないことなど受け入れ側の改善を要望。知事も「多言語化の要望など聞いている」とし、「県内移住者が地域に溶け込む方法を一緒に考えてほしい」と要請した。
 建物は明治の建築と推定される木造2階建て。1階がゲストハウス。玄関に続く間は8畳。相部屋は男性5人までが10畳、女性4人までが8畳(床の間付き)。個室は3人までで4畳半(サンルーム付き)。共同でキッチンやシャワー室、トイレ。庭は日本庭園の中庭と奥にバーベキューやテント泊(検討中)ができる広場付き。古き良き時代の日本家屋の趣が楽しめる。
 カフェは喫茶やランチを提供。広さ約50平方メートル。14席。営業時間は朝8時〜夜11時。
 素泊まりは相部屋3,000円(税込み)。個室は1人4,200円など。冬季(12月〜2月)は別途暖房費300円。チェックイン午後4時、チェックアウト午前11時。予約は☎026-214-7945。
 市わざわざ店等開設支援事業補助金180万円の助成を受けた。一般対象の内覧会を10月6日午後5時〜9時に予定している。

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