歩み重ね共に100歳〜須坂市本郷町の越さん夫妻

2012-09-23 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon “茂”の文字が名前に共通し、不思議な縁で結ばれる越茂さん(大正元年8月1日生まれ)・茂と枝(もとえ)さん(明治45年6月10日生まれ)夫妻は今年、そろって100歳を迎えた。共にグリーンアルム複合施設(須坂市仁礼町)に入所し、穏やかな毎日を過ごしている。
 結婚後、3男2女をもうけた。10代で父を亡くした茂さんは、その頃から農業一筋。「農業はただ作るだけじゃダメ。人に買ってもらえるものを作らなければいけない」と、養蚕をはじめ、約1町歩(1ha)の畑でリンゴ、ブドウなどを精力的に手掛けた。菓子店を営む家に育った茂と枝さんも、嫁いでからは茂さんと一緒に農業に勤しみ、夫婦で70歳ごろまで畑に出た。現在は次男吉信さんと妻信子さんが越果実園(須坂市本郷町)を継ぐ。
 茂さんは、昔は酒好きだったが、最近は控えめ。施設内で毎週土曜日に開設する“居酒屋”で夫婦一緒にビールや梅酒を飲む時間がささやかな楽しみだ。また茂と枝さんは、信子さんらが持ってきてくれる甘いお菓子が大のお気に入り。
 「子供や施設の皆さんのお陰で、こうしていられることがありがたい。何の不足もなく、毎日が幸せ」と、茂と枝さんが話すと、隣にいる茂さんもしみじみとうなずく。そして「この人は何でもやってきたの。長く一緒にいればいろんなことはあるけど、一緒に苦労してきた。今も仲良くやってます」。茂と枝さんがこう続けると、やはり茂さんは隣で小さくうなずき、背筋をぴんと張った。

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