『とうげの旗』が惜しまれつつ終刊〜信州児童文学会

2012-04-15 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 全国的にも珍しい子ども向け地方雑誌『とうげの旗』(信州児童文学会発行)が、先ごろ発行の162号で終刊となった。昭和50年代には発行部数約15,000部を数えたが、活字離れなどから近年は購読者数が減少。今後の継続が困難になった。今後、同会は、会員同士が切磋琢磨しながら作家としてのレベルアップを図る信州児童文学会誌『とうげの旗』として年に3回発行する。
 昭和31年に同人誌『とうげの旗』が創刊。昭和46年には「少年少女の雑誌」(後に親子で読み合う雑誌)に形態を変え、多くの子どもたちに届けられた。こうした児童文学の普及活動が認められ、サントリー地域文化賞、信毎賞を受賞した。終刊に際しては、多くの読者から惜しむ声が寄せられた。
 同人誌時代からさまざまな作品を手掛ける信州児童文学会会長の羽生田敏さん(77、須坂市南原町)は「たくさんの方のご支援で発行が続けられたことに深く感謝したい。同人誌の15年間を第1次、雑誌の40年間を第2次とすると、次の第3次は会員一人ひとりが原点に戻って修練を積む場。信州は島崎藤村、椋鳩十など著名な作家を多く輩出してきた基盤があり、ここでその灯りを消すことはできない。今後発行する会誌が子どもたちの目に触れることはないが、優れた作品を書籍化したり、紙芝居にする方法もある。さらに作品の質を上げ、現代の子どもたちの心を豊かにする児童文学を残していきたい」と話す。
 会誌は6月に創刊するが、第1次の66号、第2次の162号という足跡を残し、「通算229号」として表紙に刻む。

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