認知症早期発見・治療へ〜須坂病院が開業医と連携し検査体制構築

2012-04-14 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 県立須坂病院(斉藤博院長)は、認知症の原因疾患(アルツハイマー病や脳血管性認知症など)の早期発見・治療に役立つ画像検査「認知症のスクリーニング(ふるい分け)検査」を先ごろ始めた。脳神経内科医師が、数年前から認知症にも応用されるようになった脳血流状態をみるための画像ソフト(eZIS=イージス)の活用を提案。検査手順などをまとめ、昨年暮れからかかりつけ医などに呼びかけている。
 認知症は全国的課題の一つで、国内患者数は200万人を超えるとされるが、例えば須坂市の介護保険データでみると4倍ほどの開きがある(人口比では須坂市に300人ほどだが、実際の統計は1,200人ほど)。
 治療薬は主に初期段階の投与で進行を遅らせるものとされるが、すべてに対応しているとは言えず、原因疾患の早期診断や疾患別治療が重要視される。
 同院は脳神経内科の予約制で3回に分けて診療する。初回は診察や認知検査、血液検査、頭部単純CT(コンピューター断層撮影)。2回目は画像検査(頭部単純MRI=磁気共鳴画像装置=、脳血流シンチスキャナー)。3回目は結果説明と報告書作成。
 脳の形態的診断に役立つMRI画像と、シンチスキャナーから取り出せるSPECT画像(血流画像、シングル・フォトン・エミッション・CT、脳の機能的診断)を比較することで、さらに脳血流状態をみるイージス画像を組み合わせることで詳しく、正確に診断することができる。
 斉藤院長は9日の取材に「家族が感じる当事者のおかしいを画像検査によって数値で表すことができる。アルツハイマー病など変性疾患や脳血管性などを鑑別しないと効果的な治療に結びつかないと言われているので、一カ月かからない期間できちんと診断し、効果的治療に結びつけることができる。地域の開業医の先生と連携して安心できる地域に役立てたい」と話す。
 診察料(初診料込みの患者紹介)は1割負担の場合約13,000円。3割負担の場合約38,000円。
 受診の予約はかかりつけ医を通じて同院地域医療福祉連携室(☎026-246-6577)へ。また、医療機器の各検査内容は同院放射線科☎026-245-5536へ。

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