2012-04-01 07:00 am by 須坂新聞
臥竜公園桜守の会会長で農業の羽生田郁雄さん(72、須坂市豊丘上町)は26日、日本さくらの会の第47回さくら祭り中央大会(東京都千代田区の憲政記念館)で「さくら功労者」表彰を受けた。同日、市役所を訪れ、三木市長に受賞を報告した。
八重咲きの黄花系桜(黄桜)は、国内では5種類が知られているが、4種類目と5種類目がここ10年、須坂市で相次いで発見され、いずれも羽生田さんが関わっている。
平成13年春、豊丘上町・弁天さんの池でフゲンゾウ(普賢象、ピンク色の桜)の中に黄緑色の花が咲いているのを住民が見つけ、羽生田さんが接ぎ木して育て、18年には「ソノサトキザクラ」(園里黄桜)として新品種に認定された。淡黄緑色に緑色の筋が入る花を咲かせる。品種名は発見された場所が旧園里村だったことから命名した。
一方、20年春、羽生田さん宅へ調査に訪れた元法政大学教授笠原基知治さん(横浜市)がソノサトキザクラの苗木を育成・増殖する過程で生じた枝変わりを発見した。緑色の花弁に淡緑色の筋が入る花を咲かせ、竜の伝説の地から「ソノサトリョクリュウ」(園里緑竜)と命名。日本花の会が新品種に認定した。
新品種の発見に関わり、2種類の桜を臥竜公園や市内小学校、全国の公園、学校などに求めに応じて贈り、桜の普及に努めていることなどから選ばれた。
須坂市では平成19年度臥竜公園桜守の会、21年度NPO法人坂田山共生の森を愛する会が受賞している。
羽生田さんは平成18年から臥竜公園桜守の会の会長を務め、桜の樹勢回復などに携わっている。公園内には昨年3月、ウコン桜、ギョイコウ、スマウラフゲンゾウ(須磨浦普賢象)、ソノサトキザクラ、ソノサトリョクリュウの八重咲き黄花系5種類が1カ所に植えられた。5種類が見られるのは同園だけという。
羽生田さんは取材に「桜は日本を代表する花。咲くころには誰もが外へ出て花を見たくなり、こんなに人の心を癒やす花はほかにない。大震災の悲しみや苦しみから早く笑顔で生活が送れるよう願っている」と話す。
21日にはソノサトキザクラとソノサトリョクリュウ等30本を宮城県山元町や石巻市河南総合支所、塩釜市、青森県三戸町へ贈った。
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