須坂市の文化財〜浄運寺の釈迦如来像など新たに10件指定

2012-03-18 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市教育委員会は先ごろ、有形文化財8件と天然記念物2件を新たに市文化財に指定した。昨年11月に市文化財審議委員会(関孝一会長、委員5人)から答申を受け、2月29日に告示した。
 このうち「出山(しゅつざん)釈迦(しゃか)如来立像」は浄運寺(須坂市井上、小林覚雄住職)の所有。今回「浄運寺の六角堂」(釈迦堂)とともに指定となった。
 同立像(木造、黒漆仕上げ)は、山中での修行中に山から降りるときの姿。一般にはつえをつき、やや前のめりとなるが、この像はつえを持たない。大衣が覆っているが、両手は合掌しているのか、極めて珍しい姿。両足はそろえて立ち、やせてはいるが、青年のようなみずみずしさがあるとする。鎌倉〜室町時代の作とみられる。
 伝承として、大阪の海から拾い上げられたといわれ、昭和30年ごろまで毎年大阪から参拝者があったという。
 また、謡曲「柏崎」に「東・井上の(釈迦)大寺、西に善光寺(阿弥陀)」といっているのは、この像のことかと推定される。
 浄運寺は、鎌倉時代初期の建保2(1214)年、法然上人の弟子、角張入道成阿が開き、800年の歴史を誇る、県内最古の浄土宗寺院の一つ。本堂は天明7(1787)年に全焼。寛政6(1794)年に再建された。
 六角堂は本堂再建後の天保年間(1830〜44)から嘉永年間(1848〜54)の建立とみられる。立ち姿はやや高く、向拝部だけに飾りの彫刻があるが、極めて素朴で気品があるとする。
 そのほかの指定文化財と所在地、所有者は次の通り。
 ◇有形文化財▽旧牧家=須坂市大字野辺1386の8(市歴史的建物園)、須坂市▽元板倉家=同、同▽長屋門=同、同▽武家長屋=同、同
 ▽鏝絵「牛乃乳」(こてえ、うしのちち)=須坂市大字須坂812の2(市旧上高井郡役所)、須坂市▽中沢吉四郎家文書=同、同
 ◇天然記念物▽豊丘の穴水=須坂市大字豊丘3321の22、須坂市豊丘財産区(管理者・須坂市長)▽西五味池のモミの木=須坂市豊丘3321の1、同

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