高甫の住民が平和願い〜長崎被爆二世の柿を6本植樹

2012-03-11 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 高甫地区区長会(会長・竹前軍治野辺町区長)と高甫地域づくり推進委員会(島田薫会長)は4日、「長崎被爆二世柿の木」の苗木を育てる樹木医、海老沼正幸さん(長崎市)から贈られた6本の苗木のうち、1本を須坂アートパーク内の版画美術館入り口に植えた。海老沼さんと「時の再生」柿の木プロジェクトで支援する現代美術家、宮島達男東北芸術工科大学副学長(茨城県)を迎え、野辺町在住の児童らが記念植樹した。
 贈られた6本は、平和について考え、行動するシンボルとして、「時の再生」柿の木プロジェクトを通じて海老沼さんから寄贈された。残る5本のうち1本は同日、村石町第一公会堂庭へ。前日には明徳町公会堂北、上八町社務所裏、下八町公会堂庭、望岳台三角公園に植えられた。
 今回贈られた長崎被爆二世柿の木は、昭和20年の長崎原爆投下で爆心地から2.3㎞の地点で被爆したドンゴ柿の種から育てた苗。
 きっかけは、平成8年5月5日の信毎紙上に海老沼さんと宮島さんの活動が報道されたことに始まる。平成13年3月1日、高甫地域づくり推進委員会事業(荒井清治会長)で長崎被爆二世柿の苗2本を海老沼さん、宮島さんからもらい受け、高甫小に植えた。
 植樹10年を記念して本年度は昨年夏に宮島さんを高甫小に招いて講演を聞いた。8月9日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に同校6年生4人が出席し、海老沼さんと会い、その際、地域づくり推進委員会が新たに6本の寄贈を要請した。秋の同校柿の皮むき体験会で海老沼さんから目録が贈られ、「柿の里高甫」づくりを進める6町での植樹となった。
 この日は関係者約100人が出席した。
 海老沼さんは「前日は飯田で植樹した。地域の皆さんが元気に苗を育て、水の波紋のようにこの地から平和を発信してほしい。三世、四世へ平和を引き継いで」と期待した。
 宮島さんは「1本の柿の木が物語を紡いでいる。17年前からアートを通じて平和を訴える活動を続けている。柿の木プロジェクトは世界21カ国173カ所に植樹され、広がっている」と紹介した。

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