危険業務従事者叙勲で須高地区の5人が受章

2011-07-02 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 政府は15日、第16回危険業務従事者叙勲を発表した。須高地区では元県警部の北沢基司さん(71、須坂市大谷町)と元県警視の柳沢恒さん(71、須坂市明徳町)が瑞宝双光章を受章した。元法務事務官の塩?一晴さん(63、須坂市南横町)と清水益男さん(63、高山村荒井原)、元3等陸尉の牧久男さん(61、須坂市坂田町)がそれぞれ瑞宝単光章を受章した。
 北沢さんは須坂市出身。須坂高卒後、昭和34年に県警巡査を拝命。長野中央署、松本署、中野署などで41年間勤務。刑事課、地域警察官を担当した。
 若い時は車も無線機もなく、オートバイや自転車で捜査。任務の大変さに辞職も考えたが、「宿命と思ってやれ」と先輩に励まされ続けてきた。多くの犯人逮捕で実績をあげ、400体以上の死体検死にも立ち会った。「自己犠牲が当たり前で休みなく働いた」。
 印象に残るのは長野冬季五輪。警備した国際放送センターは世界のマスコミが集まり、極左集団などの攻撃対象とされ、緊張の連続だった。「初志貫徹を信条に体を張って働いてきた。栄誉は先輩、同僚、家族の支援あってこそ」と話す。
 趣味は尺八、植木など。妻和子さん。2女は嫁ぎ、孫5人。
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 柳沢さんは長和町出身。丸子実高卒後、昭和34年に県警巡査を拝命。県警本部のほか中野署、塩尻署、飯田署などで42年間勤務。主に刑事課で鑑識を担当した。
 印象に残るのは浅間山荘事件、松本サリン事件。いずれも鑑識を担当し、犯人逮捕につなげた。特に犯人が去った現場で慎重に鑑識に当たった。「捜査では人の心が分かるように、人の心の痛みが分かるように心掛けた。物に聴くという姿勢を貫いた。今回の栄誉は指導してくれた先輩、同僚、妻の支えがあってこそ」と話す。
 趣味は写真撮影。妻鶴子さんと2人。2男1女は独立。次男は東京で警視庁に勤務。
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 塩?さんは上越市出身。昭和42年に刑務官を拝命。水戸少年刑務所、下妻拘置支所、長野拘置支所など転勤13回で41年間勤務した。
 拘置支所では被告人、被疑者の対応に苦労。死刑、無期が予想される中、心情の安定に配慮した。刑が確定した人を収容している刑務所では、一人一人の人格を尊重し、更生を願って接してきた。薬物・性犯罪者の再犯率の高さに悩んだ。「神経を使い、つらい思いをしてきたが、健康に恵まれ、上司、同僚、家族の支えあればこそ続けられた」。
 趣味はスポーツ観戦等。妻つや子さんと2人。1男1女、孫3人。
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 清水さんは法務事務官として、昭和47年から35年間にわたって長野刑務所で看守や副看守長などを務めた。勤務初年にあさま山荘事件の被疑者が長野刑務所に拘置され、厳戒態勢で巡回に当たった。給与係だった平成元年には職員給料の管理業務がパソコンに切り替わり、休日返上でデータ入力するなど準備したり、安定的な運用に努めた。
 「受刑者の違反を少しでも見逃すと集団生活の規律が崩れる。そのことを常に意識して業務に当たった」。
 高校から剣道を続け、関東管区新人団体戦で長野刑務所の2年連続優勝に貢献した。高山剣道連盟会長として青少年の健全育成にも力を入れる。長女は嫁ぎ、妻令子さんと長男の3人暮らし。
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 牧さんは須坂市出身。松商短大卒。昭和47年に陸上自衛隊武山駐屯地に入隊。32年間、防災、治安維持、民生安定に尽力した。
 53年の信越国境豪雪をはじめ、長野県西部地震、日航機墜落事故などに出動、現地緊急調達、施設借り上げ、食料調達などの後方支援に当たった。平成15年には長年にわたる隊員への服務指導教育が評価され、陸上自衛隊東部方面総監から優秀隊員表彰を受けた。
 「迅速、適切を心掛けてきた。受章は先輩や同僚、関係の皆様、家族のおかげ」。
 現在82ビジネスサービスに勤務。趣味は家庭菜園。妻喜久江さんと1男2女。

2011-07-02 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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