【東日本大震災】燃料制限でハウスブドウ出荷1カ月遅れ

2011-04-09 07:00 am by 須坂新聞

農業 icon 東日本大震災は須高の農業にも影響を与えている。東北方面の工場が被災したため燃料や肥料、農薬などの供給が不安定な状態となり、JA須高は震災後、施設園芸の経営者らを招いて緊急会議を開き、現状を説明、A重油などの節約を呼び掛けた。
 JA須高が石油商品を全面的に購入している茨城県のコンビナートの復旧が遅れ、生産が間に合わない状態。農薬は震災前に農家から受注して仕入れ、肥料は在庫などで対応している。
 緊急会議では、対象となる約120軒のうち約80人が参加。ビニールハウスなどの施設園芸はブドウ、花卉、キノコなど多岐にわたる。ハウス栽培に使用されるA重油の供給が深刻となり、▽1ほ場(15〜30アール)で1000リットルの燃料制限▽設定温度を4度下げる―などを要請した。
 現在は燃料供給が回復してきたが、A重油の需要が高かった3〜4月に設定温度を下げていることから、JA須高では「出荷が1カ月ほど遅れることが予想される。果樹が主流の須高は大地のしずくなどブランド化を図っており、今後は嗜好品を敬遠する空気が心配」と話している。 
 須坂市相森町の本沢政幸さん(46)は約60アールでハウスブドウを栽培している。11月〜5月に加温し、時期を3回に分けて出荷。
 JA須高からの要請で夜間の室温を下げている。生育が遅れるため、7月出荷予定のブドウは8月にずれ込み、「夏は高温で色づきが心配。作業も露地物と重なり、価格も不安。肥料、農薬は確保したが来シーズンは分からない」という。
 東京方面は計画停電で市場などの冷凍冷蔵庫の管理が心配され、デパートなども開店時間を短縮。本沢さんは「自粛ムードや景気低迷が続くと果樹は大きく影響される。地元の春祭りは神楽、奉納舞いが自粛となり、須坂の元気がなくなるのも心配」と話している。

2011-04-09 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。