「須坂独自のまちづくり大事」〜清水氏(JTB常務)

2011-02-05 07:00 am by 須坂新聞

まちづくり icon 須坂商工会議所は2日、同会議所で地域活力創造セミナーを開き、?JTB常務取締役の清水愼一氏(小諸市出身)が「地域活性化と観光振興」をテーマに講演した。清水氏は、豊かな地域資源を活かして須坂独自のまちづくりを官民一体で推進するように提言した。商工関係・観光関係者ら関心のある約50人が聴講した。  
 観光は2000年からニーズが急激に変化、旅の形が温泉、料理から町歩きを楽しむ方向となり、まちづくりがカギになった。
 日本は人口減少が続き、経済縮小の傾向。政府は経済活性化の柱の一つとして観光振興を挙げた。外国人観光客を2020年で2,500万人を目指す。それは10兆円の経済効果と56万人の新規雇用が見込まれる。
 現在秋葉原は中国特需で、中国人が高性能の日本の電気製品をたくさん購入。8割の中国人は日本が好きではないが、来日すると「親切で町がきれい」と5割が好きになる。政治レベルで仲が悪くても国民同士が仲よくなる。観光は経済面だけでなく、両国の友好にも一役買っている。秋田は韓国特需。秋田で撮影された人気ドラマが韓国で放映されたためで、温泉や緑豊かな自然を持たない韓国は日本に憧れている。
 では、温泉や文化、自然がないと駄目なのか。それは違う。まち・里・山歩き、歴史、文化、自然、生き生きした暮らし、環境、健康などがキーワード。要するにまちづくり。
 川越市は年間600万人の観光客でにぎわう。店主らは「都会のマネでは人は来ない。古い物を残し、新しい物は造らず撤去しよう」と話し合い、まちづくりを進め、電線も地中化した。食は特産サツマイモのみだが、さまざまに商品化した。メーン通りは土日を歩行者天国にした。滞在時間が伸び、経済効果が上がった。
 京都の町屋が近代化で次々壊されたが、「もったいない」と外国人が声をあげた。保存するために宿泊施設として再生、人気スポットになった。
 観光先進地ヨーロッパの秘密は古い物を大事に保存してきたことだ。コンパクトなまちづくりを進め、空き家を公営住宅に、図書館・美術館を郊外には造らない。車と人を分ける。さらに歩車逆転で真ん中に人が歩き、外に車を走らせる。高齢者に優しいまちづくりを進めており、それがそのまま観光客への優しさにつながった。
 隣の小布施町に触れたい。市村次夫小布施堂社長らと25年前、勉強会を作った。市村氏らの提案でJRの枕木を購入し栗木歩道にした。小布施は一歩先を見ていた。須坂は文化遺産や自然は全国レベルで小布施に負けない。少し工夫すれば観光の一等地になる。単なる観光キャンペーンではなく、須坂ならではのまちづくりが大事。ポイントは本気。腹を据えて動けば活路が開ける。行政、商工会議所、観光協会、JAなどがバラバラでは力が出ない。一致団結して「須坂」として統一することだ。それが大きな力になる。

2011-02-05 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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