【須坂市の事業仕分け】議論が白熱した反面…

2010-11-13 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市は6、7日、保健センターと本庁舎3階で24事業を対象に初の事業仕分けを行った。仕分け作業の結果、不要4、民間移譲2、民間委託1、改善実施17となった。今後、担当課が対応方針案を作り、19日に開く行政改革推進本部会議で市の方針を決め、月末までに公表する。両日とも報道機関が多数入り、中身の議論が白熱した半面、傍聴に訪れる市民や市職員、市会議員は少なく、関心が低かった。
 不要は「高齢者路線バス・電車利用料金助成」「各種検診の実施で、がんハイリスク群のうち40歳、50歳の市民無料受診券の配布」「就業支援センター事業」「放課後子どもプランの開催」。
 このうち、「高齢者バス・電車助成」は、仕分け人から他のサービスとの連携を庁内で話し合えば結論が出る話を、仕分けの場に上げる意図がふに落ちないとの意見があった。
 「各種検診の実施」は、担当課が十分なデータを示し、見通しなども示した上でないと仕分けができないと指摘し、仕分け範囲を絞って議論した。
 民間移譲は「グリーンツーリズム研究」と「ふれあい健康センターの管理運営」。民間委託は「信州須坂ふるさとフェア」。
 仕分け人の指摘を拾うと、「文化施設管理事業」では、「全国へ情報発信しているというが、誰のために文化行政をしているのか疑問」「民間ノウハウを活用し、指定管理先を変えると思い切った改善ができるのでは」。
 市のかかわり方を聞きたいとする「ダイヤモンド婚・金婚式負担金」は「実質は直接実施ではないか。対象者の公平性が保てない現状で市が実施する意義をどう考えるか。金をかけなくても敬意を表す方法はあり、式典でなくてもいいのでは」「各老人クラブが主催し市はサポート。クラブがない町は市が実施するなど市の関与は最小限にすべき」。
 「保健補導員会研修費負担金」は予定時間を超える議論に。20年度負担金精算額を21年度負担金交付額で差し引いた会計処理は、会計年度独立の原則から「適切ではなかった」(市の見解)とし、団体会計事務の適正処理を徹底するとした。
 閉会式でコーディネーターを務めた丸山康幸さん(フェニックス・シーガイア・リゾート会長)は「方針が決まっている事業の仕分けに違和感を覚えた。議論の際に全体が分からないと困難な判断になる。須坂は庁内で横断的に調整できる規模だ。公のテーブルで考えた意義は大きい」。
 一方、楡井雅巳さん(長野高専教授)は「結果だけでなくプロセスを大事に。根底にある重要なものの改善を。担当課の実態把握が不十分。高い意識で取り組みを」と総括した。
 三木市長は「前向きで建設的な指摘を頂き、行政改革に生かしていきたい」とした。 市民仕分け人の越信子さんは取材に「荷が重かったが勉強になった。もっと市民が担うべきだ。市民の意識が変わると行政も変わっていく」と語った。
 傍聴した市内の男性は「市民の関心がないことが一番の問題。不要、民間移譲など適切な判断があり、効果はあった。原案賛成の議会も重く受け止めるべきだ」と指摘した。

2010-11-13 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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