須坂市の商業関係者〜先進地・岩村田を視察

2010-09-05 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon 須坂商工会議所はこのほど、地域と共存した商店街として活性化が図られている佐久市の岩村田本町商店街(約45店舗)を訪問、同振興組合理事長から話を聴くと共に商店街を視察、魅力ある商店街づくりへのヒントを学んだ。視察には会議所、商店会連合会、市役所の関係者約20人が参加、須坂に戻って意見交換も行った。
 同振興組合は平成8年、高速道や新幹線の開通で他地区への商業集積に危機感を感じた若手経営者・後継者らが立ち上げた。当時の理事の平均年齢36.7歳。全国で最も若い振興組合は「手作り・手仕事・技の街。地域と共存し、共に生き、働き、暮らす街をつくる」をコンセプトに、商店の利益より地域住民の利益を考えた「地域密着顧客創造型商店街」を目指してさまざまな活動を始めた。
 その成果として▽地域コミュニティー施設「おいでなん処」の開設▽組合直営「本町おかず市場」の開設▽チャレンジショップ「手仕事村」の開設▽全国初の「子育て村」の開村▽地元の学習塾に運営を委託した「岩村田寺子屋塾」の開校▽イオンと提携した電子マネー「佐久っ子WAONカード」の運用―などが実現した。
 同組合の阿部眞一理事長は「街のビジョンを明確に持ち、商いをする人と住んでいる人が連携しないと商店街の活性化はできない。すべての足並みを揃えることは難しいが、強力なリーダーシップを発揮し、住みよいまちづくりが商店を育てていく」「事業は常に住民アンケートを実施。1理事1事業制で責任と役割を与えることで、マネージメント能力の向上が図られる」などと話した。
   □  □
 参加者は須坂に帰着後、視察を踏まえて意見交換を行い、次のような意見が出された。
 ▽岩村田の人たちはやる気がある。須坂の商店街にはまちづくりへの熱意・意欲が感じられない。食べていければいい位の考えで、協力して何かをしようという気がない▽リーダーを順番回しにやっている商店街とリーダーがなるべくしてなっている商店街の違いは歴然。強いリーダーシップが求められる
 ▽行政・商工会議所・商店街が協力しあって本物のまちづくりを進めたい▽イベントは花火であり、最終的には個店の魅力が人を引きつける。須坂にもいい店はいっぱいある▽商店街活動にも経営感覚が必要。とかく補助金のための事業になりがちだが、目的を持った事業を長丁場で続けていく必要がある
 ▽若い人を引き込むことが必要。日頃からコミュニケーションをとり、若い人が面白がる企画を考えたい▽商店街育成と個店支援、どちらが優先か。後継者の有無など商店街の実態と意識調査が必要ではないか。

2010-09-05 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。