2010-07-24 07:00 am by 須坂新聞
信州の伝統野菜に認定されている「八町きゅうり」の出荷がお盆にかけて最盛期を迎える。これまでは直売所で見かける程度だったが、今年はJA須高の総合共撰所(須坂市相森町)で受け入れが始まり、青果市場を通じて、ながの東急百貨店など長野市内の生鮮食料品コーナーに並ぶ。収量は1日200本程度とまだまだ少ないが、「皮が薄くて甘みがある」希少な地域ブランドに注目が集まっている。
昭和20年代に上八町で育成され、一時は日量5〜6万本出荷された幻のきゅうり。7年ほど前、須坂園芸高校の研究を機に復活の試みが始まり、八町きゅうり研究会やJA須高などが協力して普及に取り組む。
現在は研究会のうち12人が「伝承地栽培認定証」の交付を受け、「信州の伝統野菜」の表示とともに出荷できる。実際は他の農作物と重なり、実質の出荷は5、6人と少ない。しかし、直売所で販売、または自家用に栽培する人は高甫地域を中心に広がりを見せている。今年から高甫小での栽培も加わり、伝統の継承や地域振興に向けた動きは今後ますます進みそうだ。
JA須高営農生活部販売企画課の羽生田みゆきさんによると、現在は市場出荷のほかにも、県庁経由で軽井沢のホテルや東京都内の居酒屋と取り引きがあるという。
八町きゅうり研究会は本年度、地域ブランドの生産量を増やそうと高甫地区内の農地で栽培を呼びかけ、先ごろ、2人の市内在住者が応じた。このうち、黒岩留男さん(63、明徳町)は5月に20本ほど植え、40日後の今月から200本ほど収穫する。1週間ほど前からJA須高経由で出荷も始めた。
黒岩さんは「会社一筋だった。農業は場所の問題や設備の知識など自力では大変困難。農地を用意してもらって、土づくりなど整備も協力体制があるのでありがたい。朝と夕方の2回、手入れを兼ねて作業するが、栽培法が確立せず暗中模索。収穫が始まり、楽しみは増えた」と話す。今月植え、8月以降収穫も加わり、楽しみが倍増の夏となりそうだ。
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