国交省が千曲川旧河道再現〜歴史がより立体的に

2010-03-27 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 国土交通省千曲川河川事務所や同省国土地理院は、作成から30年が経過する「治水地形分類図」のうち、千曲川・犀川を全国に先駆けて平成20、21年度で更新した。先ごろ、長野市で開いた第27回千曲塾で出席者に説明した。八木沢川や百々川、鮎川などが千曲川に注ぐが、白地に青い横線が旧河道で、歴史的考察を交えると、須坂市の成り立ちがより立体的にみえてくる。
 治水地形分類図とはかつて川が流れていた場所など治水と関連する地形を分類して図示し、洪水時の被害の危険性を予測するなど、治水対策を進めるための基礎資料として、昭和50年代に国土地理院が制作した。
 空中写真で昭和22〜23年(米軍写真)、同40・46年、平成12年以降の3時期の同一地形を比較し、現地調査や旧版地形図(明治末期〜大正初期、大正末期〜昭和初期、昭和20年代、30年後半〜40年前半の4時期)から旧流路・旧堤防を抽出して作成した。
 旧河道は相対的に地盤が低く、主に水田に利用され、洪水被害を受けやすく地盤も軟弱な場所。平成18年7月豪雨で漏水した千曲川堤防個所が旧河道上にあったため、須坂市中島・福島地区(村山橋〜屋島橋)の漏水対策工事が20年度補正予算で事業化され、更新図が役立った。
 旧河道は百々川(市川)では小山―屋部から北西に延び、鮎川では米持―九反田から下流へ。江戸時代に築いた中島の一夜堤防が記され、江戸時代に福島集落の東にあった郷五郎池が推定できる。村山では旧百々川や旧堤防が記されている。
 須坂市道路河川課は「旧河道を工事の仕方の参考にし、工事費のより有効な投資に役立てたい」とする。

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