市学校給食センター調理を民間委託〜今月20日に事業者検討会議

2009-11-07 08:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂市は来年4月から学校給食センター(村石町)の調理部門を民間に委託する。今月20日に開く事業者検討会議(委員16人、非公開)で応募3社から提案を受け、内容を市長に提言し、年内には事業者を決定する。先月30日、メセナホールで市民を対象に説明会を開いた。民間委託の方法など質疑のほか、稼働34年目を迎える建物への心配や、建て替え時期に合わせて自校方式へ戻すべきとの意見も出された。
 市は平成16年の行財政改革チャレンジプランで民間活力導入を進め、調理業務の民間委託は、サービス水準を維持しつつ経費削減が見込めるとして18年度に計画を進めた。19年度に学校や保護者への説明会を計画し、20年度業者選定、21年度開始を予定したが、建物設備の改築改修の課題があり、19年度に「もう少し検討を」とし、20年度になって22年度開始方針を決めた。
 今年9月の市報で内容を市民に伝えたが、保護者の中には「大事な決定はもっと早く知らせて」「突然で一方的な決定」との不安の声が一部に上がり、9月市議会では事業者検討会議費用について19人中6人が反対した。
 センター方式は県内358校(62%)で実施し、調理部門の民間委託は、長野市、松本市など12市町村で導入する。一方、自校方式は220校(38%)で実施している。
 自校方式について、説明会の出席者は、給食室からのにおいで食欲が出る効果があり、脳への刺激も大事な要素。自校方式の選択肢がなぜ市にはないのかと意見が出された。
 勝山昇所長は「十分検討した結果、来年4月民間委託開始を決めた。児童生徒のためには給食や食育を充実させることが大事。同時に効率的運営を図ることも大事で両方が見込める。事業者が決まったら公表し、打ち合わせ、引き継ぎをしっかりして移行したい。定期的に検証もしていく」と取材に答えた。
 三木市長は説明会で「15校の自校方式は最低でも11億円かかり、調理員は現状(32人)の倍の60人(1校4人)は必要。センター方式は8億円ほど。改築は小中学校耐震工事の後に保育園改築等が控え、保育園の検討の中で検討したい。できるだけ早くやりたい気持ちはある」とした。
 市学校給食センターは昭和51年3月の完成。1日最大9,000食が可能な設計で、ピーク時の昭和59年には8,645食を供給。その後は減り、本年度は5,070食に。
 民間委託は、学校給食の調理、配缶(配送業務は除く)、食器などの洗浄・保管・日常点検、残菜・ごみ処理、調理施設などの清掃、ボイラーなどの運転、敷地内清掃管理が主な内容。所長、係長、事務員、栄養士2人はこれまで通り配置する。
 委託業者はセンター栄養士の指示に基づき、調理師などの資格を持った人が中心になって業務を行う。衛生管理は国のマニュアルや基準を遵守する。
 献立作成や食材の購入、児童生徒への食育は今後も市が行う。問題発生時は市が解決に当たる。一定期間経過後にアンケートを児童生徒などに行う。隔月で開く献立作成委員会などで味などを評価する。センター見学や試食などは継続する。
 説明会は2回開き53人が出席。質疑応答を交わした。9月から小中学校ごとに保護者説明会も開いている。

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